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俺が引きずりだされるように目を覚ました。目の前には真っ白な天井。
「・・・ここは?」
「!!結城、起きたの。ちょっと待って先生呼んでくるから。」
そう言って雪菜が部屋を出て行った。
俺はベットから体を起こすと、ここは個室の病室だと分かった。デジタル時計を見ると二日間寝ていたことが分かった。
何があったか記憶をたどると、俺が意識が途切れあいつを殺したところまでちゃんと記憶があった。まるで録画した記憶みたいだった。
「・・・リーゼは無事か。」
俺にとって一つの救いだ。俺はエリが死んだ瞬間のことを思い出してどうしようない怒りを自分に感じた。俺はそれを無理やり抑えたさすが病院内で暴れる訳には行かない。
「先生、連れてきた。」
雪菜は医者以外にもエリナ、湯野、久留巳、留美を連れてきた。医者は聴診器や瞳孔の開きぐらいを確かめると
「いちよう問題はないですね。健康体ですね。これなら精密検査をして何も問題がなかったら退院できますね。それでは。」
医者はそう言って出て行った。
「良かった、結城が無事で。」
その言葉が俺に突き刺さる。
「・・・俺が無事で良い訳がねぇ!!。」
「え?」
雪菜が俺の言葉に怒りを感じたのか困惑顔
「俺が無事なせいでエリは死んだんだぞ。良い訳があってたまるか。それとなんだお前はエリが死んで俺が生きたことが良かったのか。」
「あたしはそんなこと・・・・」
分かってる、これがただの八つ当たりだってだけど止めることができなかった。
「俺の力が足んなくてエリは死んだんだぞ!!しかも俺を守るために。」
さっきまで抑えてたものが溢れる。
「結城・・・」
雪菜が何か言いたそうにするが
「出てってくれ。」
「え?」
「頼むから、出ってくれ!!」
俺が血を吐き出すように叫んだ。このままじゃこいつらに八つ当たりしちまうからだ。
俺の言葉を聞いてみんなが出て行く。
みんなが出て行った後、俺は嗚咽がこみ上げてきた。布団をにぎりしめながら泣いた。
あの時、俺に力があれば救えたそれしか考えられず後悔しか生まれなかった。
扉をノックする音が聞こえた。
「どうぞ」
俺は入ってきた人物に俺は動けなくなった。
「・・・結城・・・さん」
リーゼはベットまで来るとそこで止まって動かなかった。
「・・・どうして」
俺が呟く。
「え?」
「どうして俺を責めない!!」
俺は叫んでしまった。
「何で俺を責めないんだ!!。リーゼは俺のことを助けたせいで死んだんだぞ!!」
俺は叫びながら泣いた。
俺はベットからリーゼの胸倉をつかんだ。
「どうして責めてくれないんだ。どうして・・・」
俺はこのときになると力尽きたようになり言葉も勢いをなくしていた。
「どうして、責めてくれないんだ。いっそ責めてくれた方が・・・」
何かが俺を包む。
「大丈夫ですから、大丈夫ですから。」
リーゼはそう言って俺をあやすように頭をなでてくれる。
「私は結城さんのこと、恨んでないです。責めません。結城さんがあたしたちのことを守ろうとしたことは知ってますから。」
俺はリーゼの胸の中で子供のように泣き続けた。泣いている間頭をなで続けてくれた。




