希望
雪菜視点
結城が言った後、あたしは校長先生に連絡して、現在の状態を伝え隠れ家で待機している。
「エリナちゃんと久留巳ちゃんは家の周りを見て安全確認。留美ちゃんと湯野とあたしはエリとリーゼの
護衛・・・でいいよね?」
あたしは自信がなくてみんなに聞いてしまった。
「今はそれしかないですわ。」
そう言って久留巳ちゃんはエリナちゃんと出て行った。
「結城・・・」
あたしは不安げに呟いて剣を握りしめる。
「大丈夫よ。」
「そうですよ」
湯野と留美ちゃんの言葉にあたしは叫んでしまった。
「気安く言わないで!!結城は全員でかかってもかなわないと思ってここから離れたのよ!!あたしたちを守るために・・・・・ごめんなさい」
湯野と留美ちゃんはつらそうな顔をした、二人とも結城が死ぬところなんて想像したくなかったんだ。
(あたし何やってんだろう・・)少し自己嫌悪した。
あたしは結城が死ぬのが怖くてしかったなかった、あたしは終業式のことを思い出していた。
結城がミノタウロスのバトルアックスで吹っ飛ばされそうになた時、ドラゴンと戦ったときもそうだ。あたしは何もできなかった、助けることができなかった。
そんなふうに悩んでいたら、誰かに頭をたたかれた。 湯野だ。
「任務に集中して。」
湯野はそう言ってもう一回頭をたたいた。
「ごめんなさい。」
あたしはそれしか言うことができなかった。
「・・・気持ち悪いものね。」
湯野はそう言って私を見た。
「何よ、あたしが素直の謝るのがそんなにおかしかった?」
「落ち着きなさい。」
そう言ってあたしの頭をなでてきた。
「何すんのよ」
「慰めてんの・・・いちよう先輩だから」
頬を染めながら湯野は言っていた。
「大丈夫、結城なら勝って帰ってくるって。」
「・・・・うん」
あたしは頷いて
「・・・ありがとう」
御礼を言って気合を入れた。
「よっし」
外から戦闘音が
エリナちゃんが慌てて来て、
「クラックが開いて魔物が!!」
エリナの言葉で愕然とする。何でいきなり
「数は?」
「かなりいます。外から出るのは無理です。今は久留巳さんの駒で抑えてますけどこのままじゃ・・・」
あたしはさっさと決断して、
「全員で迎え撃つ。時間を稼ぐの。二人の逃げる。」
あたしは途切れ途切れ言って、
「二人はこの通路から外に出て。」
あたしはそう言って隠し通路のドアを開けライトを持たせて
「久留巳ちゃんにポーンの駒で良いからこの子達の護衛につけるように言って!!」
あたしはそう言って外に向かった。
あたしと入れ替わるようにポーンが入ってきた、ところところ傷が付いている。
「行くよ!!」
あたしはそう言って刀を炎で満たした。
外の魔物は道路のまで溢れていた。道路に三つ壁に二つのクラックが開いて、魔物があふれ出ている。
「エリナちゃんは回復に専念して、久留巳ちゃんは・・・駒を壁にして魔物が近づけないように、あたしと湯野さんで魔物を掃討しようと思います。」
「あら、さんつけてくれたのね。」
そう言って湯野さんがあたしを茶化す。
「戦いに集中して!!」
あたしは気恥ずかしさからそう言って魔物に目を向けた。
(そこまでランクの高いやつがいないこれなら!!)
あたしは胸に希望を持って戦った。




