114 新たな天使
あたしたちはやっとのことでウリエルを倒して、座り込んでいた。
「もう二度とあんな事はしたくないですわ」
久留巳ちゃんはそう言って額の汗を拭った。余裕そうに見えてもかなり緊張したようだ。
「大丈夫?」
エリナちゃんが久留巳ちゃんの背中を撫でながら聞く。
「死ぬほど怖かったですわ」
そこに留美ちゃんが走ってきた。留美ちゃんはあたしたち別行動で仕事をしていた。留美ちゃんの魔法は近距離でしか使えないので今回は裏方に回って戦闘が続行不可能な人たちの回収に当たっている。
「みなさん大丈夫ですか?」
「ええ、何とかね」
留美ちゃんは湯野の方を見ると
「湯野先輩は?」
「魔力を使い切って倒れてるだけよ」
「そうですか」
ほっとした様子の留美ちゃんである。
「そっちは?」
「死者は出ていません。天使の力を抑える魔法陣よって天使も弱体化してますし」
リーゼちゃんは湯野の体を自分の方に引き寄せて、ひざまくらをする。
「まあ、これで少しは楽になりますね」
リーゼちゃんはそう言って笑った。
「それではみなさん一回戻って休息を」
「あなた方ですね、ウリエルを倒したのは」
そこに居たのは天使五体がいた。
「どうやら休息は出来なそうね」
そう言ってあたしは立ち上がった。あたしは天使たちから逃げれるか考えたがたぶん無理だ。
「あなたたち名前は?」
「人に名前を尋ねる前に自分から言ったらどうよ」
あたしは天使にそう言ったが、これはただの時間稼ぎだ。湯野が倒れている今、天使を倒すだけの火力はリーゼちゃんだがたぶん当たれないだろう。
「そうですね、では。あたしは天使序列一位ミカエル」
「天使序列三位ラファエロ」
「天使序列五位イロウエル。よろしく短い間だが」
「天使序列七位アラエル。以後お見知りおきを」
「天使序列八位アルマロスです」
何で十位以内がこんな所に居るのよ。あたしは自分の運の悪さを呪った。
「で何の御用かしら?」
「ウリエルを倒したものの顔を見たくて。ウリエルを倒すとはそれなりの強さを持つとは思ったのだが」
そう言ってあたしたちを全員見る。
「ウリエルのはこのようなものに負けたのか」
落胆の色が濃いようだ。
「特に目立った強いものは居ないな。特に警戒してこんなに出てくることは無かった。殺すぞ」
ミカエルはそう言って光の槍を出現させ、それに倣うように他の天使も槍をだす。
「それではさようなら」
「おいおい、人の大切な者に何してくれてるんだ」
そんな言葉と共に天使たちが放った攻撃がかき消させれる。
そこには
「ゆ、結城」
「またせたな」
結城がいた。服はアムド化状態の服はいつもと変わらないがオレンジ色に輝いて、そして容姿が男のままだ。結城の片方の手には剣が握られていた。結城は湯野のところ言って湯野に手を当てた途端光が世界を満たした。そして
「湯野、湯野起きろ!」
そう言って体を揺らす結城
「え、結城何で」
湯野は起きたが混乱状態だ。
「雪菜説明あとでしといて」
「うん」
あたしはそれは聞き流して結城に抱き着いた。
「おい?!」
「お帰り」
「……ただいま、はいこれプレゼント」
俺はそう言ってメモと一緒に渡した。
「これは?」
「メモに全部書いてある」
結城はそう言って天使に顔を向けて
「ここからは俺が相手をしてやるよ」




