107天使 そして死
最終章が始まります
「お前が祥子が言っていた、小僧か」
黒金さんの第一声。
「へこたれてんじゃねえぞ!!」
そう言って修行中どんなことがあっても俺のそばにいてくれて見守ってくれた。
「よくできたじゃねえか」
そう言って俺を褒めてくれた。
「違うだろ!!お前はお前の意思で救い助け耐え忍んだんだろう」
最後まで俺のことを信じてくれた。
黒金さんと日々が俺の頭を流れる。苦しかった思い出、うれしかった思い出、楽しかった思い出。そんな小学三年からの思いが俺の中で爆発する。
「貴様ーーーーーーー!!」
俺の叫びが響くそれと共に俺の周りには抹消魔法による穴が広がる。
「貴様ではありません。天使序列代四位ウリエルです」
そう言って腰を折るが、そんな気取った行動は俺の怒りを促進させるだけだった。
「貴様が黒金さんをーーーーーーー!!」
俺の背中から黒い翼のような物が出て空に向かって飛ぶ。
「黒金?ああ、さっきの身の程知らずの人ですね。天使の行いを邪魔するなんて不届き千万。死んでも仕方がないですね」
俺はそんな言葉に
「消えろーーーーーー!!」
俺は空を飛んだ勢いに乗せ、剣を抜き払った。その攻撃を天使の手から出た光る剣により防がれ、鍔迫り合いになる。
「貴様が黒金さんをーーーーーー!!」
俺の攻撃が少しづつ天使の光を削る。
「これは?!私より力が上?」
天使は鍔迫り合いを強制的に止め、俺から逃げた。
「逃がすかーーーー!!」
俺は天使の後を追ったが天使の方が若干早いが、天使は建物をかわしている。俺は建物の壁を抹消魔法で消して道をショートカットし天使に追いつき地面に蹴り飛ばした。
「ガッハ」
天使の口からそんな声が漏れる。俺は天使に更ならる追撃をかますべく、天使を追いかけた。天使は立ち上がろうとした所を俺は地面から空に蹴り上げた。天使はその蹴りを腕をクロスしそして翼で防ぐ。
「私は天使です。あなたのような矮小なものに」
「何が天使だ。そんな翼!!」
俺は剣で翼を切り落とし、ビルに向かって蹴り飛ばした。
「これで終わりだ!!」
その言葉と同時に俺は抹消魔法で何本もの剣を作り、そして天使に向かって飛ばした。
「どうして……」
天使に当たる前に抹消魔法の剣が消え、俺の背中の翼もそれから消えた。
「よくもやってくれましたね!!」
天使の翼がいつの間にか復活して、落ちる俺を追いかけ、そして追いつき下からさっきの位置まで蹴り上げる。
「ガッハ」
俺の腕をクロスして防ぐが全く意味をなさない。そしてさっき天使のしたようにビルに向かって蹴られる。
「くっそ」
俺の口からそんな弱弱しく言葉が漏れる。
「最後に言い残す言葉は?」
天使の手には弓矢がある、俺はそれを見て
「そうだな」
俺のそんな言葉と同時にビルから落ちて、太ももからグロックを抜き天使に向かって撃つ。
天使はその行動を鬱陶しそうに見て、
「消えなさい」
唇を見て言った言葉が分かった。それと同時に俺の体に二本矢が刺さったのが分かった。
そして俺はこの世から姿を消した。




