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106 ファーストキスは血の味

今回は長いです。

俺たちは地上に転移したが、不味いことが起きた。

「黒沢、何があったんだ?」

俺が聞くと黒沢は

「エルメスを浮かしていた。魔力が無くなったから上からエルメスが落ちてくるのよ」

俺はその言葉に

「待て待て。てっことはあれがここに落ちてくるのか」

「そ、そうよ」

その場にいた全員が真っ青になった。

「お前、何か対策みたいなことはしてないのか!!」

俺が黒沢に詰め寄ると

「忙しくて、対策ができなかったのよ!!」

黒沢そう言って怒鳴り返した。

「どうしよ?」

みんなが右往左往してる時に雪菜が

「あのさ、魔法で落ちる前に瓦礫とかを転移とか破壊とかすればいいんじゃないの?」

雪菜の言葉にみんなの動きが止まる。

「「「「「「「それだ!!」」」」」」」

その場にいる魔法少女が全員が声を上げた。




そして





「では、行きますよ。みなさん」

ここには日本の魔法少女全員が集まったと言っていいほどの人数が集まった。師匠もいる。全員が戦闘で怪我をしていたが、お互いの回復魔法を扱えるものを出して全員を回復させた。

「今回は瓦礫の破壊または別の場所に転移させ、瓦礫が地上に落ちないことが作戦の目的です」

そう言って作戦が開始された。

空が飛べるものは飛べないものを空に運び固定魔法で空に自身の体を固定して瓦礫の処理を行った。

ぶっつけ本番の割に地上に欠片一つ落ちることなく順調に終わる。全員がそう思っていた。

だが、


攻撃が効かない物が出てきた。

「なんだあの黒いのは……魔力の塊!?」

「黒沢はあれは?!」

俺が聞くと

「たぶん転移魔法を使うためために貯めていた魔王の魔力だと」

俺はそこで一つの考えにたどり着いた。

「抹消魔法」

「一端引きます」

そう言って全員を引かせた。幸い魔力の塊はそこまで重くはないので、ゆっくり落ちていく。





「どうしますの?」

久留巳が聞いていく。

「今のところ抹消魔法に対抗できる魔法は知らない」

そう言って黒沢は言う。

「じゃあ、あれがそのまま落ちてきたら?」

エリナが恐る恐る聞く。

「たぶんここに大穴があいてブラジルまでの直通の穴が開くわね」

黒沢は半ばやけっぱちになってるようだ。

「そうなったら地球って……」

「間違いなく。生物がすめない星に、いや星でさえ無くなるかもしれませんね」

久留巳は冷静に結果を言った。

「だが、まだ手がなくなったわけでは無い」

俺の言葉に全員の視線が俺に集中する。

「どんな手が残っているの?」

黒沢は俺を見る。

「抹消魔法で抹消魔法に対抗する」

俺の言葉にみんなの呼吸が止まる。

「それって…大丈夫なの」

雪菜の言葉に俺は正直に答える。

「分からな。ぶっつけ本番だな。下手したら死ぬかも」

「結城……」

雪菜は心配そうに俺を見る。

「心配するな。何とかしてたろ」

俺はそう言って雪菜の頭に手を置いた。




そしてついに地上から、魔力の塊が肉眼で見える距離まで来た。

「行ってくる」

俺はみんなにそう言った。みんなが心配そうに俺を見る。

「大丈夫さ、約束を守るために俺は生きるから」

俺はそう言って空を見上げた。

「約束って?」

雪菜が不思議そうに聞いてくる。

「ん?みんなの告白に答えるって約束」

「ちょ、それどういう事!!」

雪菜が俺の胸ぐらを掴んで俺の顔を雪菜の方に向かせる。

「言葉道理」

俺の言葉に雪菜はみんなの方に向く。エリナ、湯野、りーぜはそっぽを向く。

「なんで、告白してるのよ!!」

そんな言葉に

「だって」

「ねえ」

「雪菜先輩はいつまでたっても告白しないじゃないですか。みんな待ってるんですよ」

そんな言葉に雪菜は

「分かったわよ。今ここで告白するわよ!!」

雪菜もやけになったようだ。

「結城。あたしはあんたのことが好き!!」

顔を真っ赤にさせて雪菜は叫んだ。

「答えは帰ってからな」

俺の言葉に

「待って!!」

雪菜は俺の胸ぐらをまた掴んで……キスをしてきた。不器用で歯と歯がぶつかって唇が切れた。

誰だよファーストキスはレモンの味っていた奴は、俺のファーストキスは血の味だった。

「行ってらしゃい」

そう言って雪菜は唇を押さえながら言った。

「雪菜先輩ずるい」

そう言ってエリナも俺にキスをする。

「なら、あたしも」

そう言って湯野もキスをしてくる。

「みんながするなら、私も」

リーゼもキスをしてくる。

俺は恥ずかしくなって

「もう行くぞ」

俺はグラドの翼を部分的に生やして空に上がった。




俺の目の前に抹消魔法の塊が迫ってくる。

「なあ、デノム」

「なんだ」

俺の隣には人型状態のデノムがいる。

「なんでこんな事になってるんだろうな?」

俺の問いにデノムは

「どうしたんだ相棒?」

「デノム、俺さ、怖くて怖くて仕方ないんだ」

俺はそう言って拳を握る恐怖を握り潰す様に。

「なんで俺はこんな所に居るんだろうなと思ってな。逃げたくて逃げたくて仕方ないんだ」

「なら、逃げちまえば」

「でもな、俺の後ろに守んなきゃいけないもんがあるんだ」

俺の言葉にデノムが笑う。

「なら選択肢なんて無いな。………相棒」

「なんだ?」

「死ぬなよ」

「頑張る」

俺はデノムを仕舞った。


「アムド化」

俺はアムド化して手からあの球体を覆えるほどの抹消魔法の煙を出した。  

そして接触

「ぐぐぐぐ」

俺には翼に力を入れて押されないように踏ん張る。だが俺は段々と魔力を消しているが、それでも少しづつ後ろに下がっていく。

「まだだ!!」

俺の魔力の出力が俺の言葉と比例するように上がる。それでも押されていることには変わらない。

突然俺の力が上がった。これは音楽・歌・楽器の音色。

支援魔法か!!

俺の力が増したがそれでも少し足らない高層ビルの一部が消えていく。このままじゃ

「ここを消させてたまるかーーーー!!」

俺はそんな思いを吹き飛ばすようにそう叫んだ。


だが


(くっそ、魔力が足りない)

俺がそんなことを考えていたら俺の背中に手が置かれる。

「諦めるには早いと思うぞ」

「遠山!!」

俺の後ろには背中から翼を生やした遠山が居た。

「いいか、今からお前の魔力をあげる。だが、その能力を使ったらこの翼は消えるだから落ちるから一度に二回ぐらいしか出来ない」

「分かった」

「じゃあ、行くぞ!!」

ブースト!!ブースト!!

そんな音が後ろから聞こえた途端俺の魔力は上がった。

「これなら行ける」

徐々に魔力の塊が消えていった。



空か黄金の矢が俺に向かって飛んできた。

「!!」

俺はすばやく右手を矢の方に向けて抹消魔法で消したが魔力の塊に押されて俺はすぐに手を戻さざる得なかった。

(これ以上下げられない)

またさっきと同じ矢が飛んできた。

(あと十秒待てば)

だが十秒前に矢が当たる。俺は死を覚悟した。その時矢と俺の間に入った人が居た。

カン!!

と音がして何かが砕ける音がした。俺はそれに目を向ける。あれは……

黒金さんの籠手

俺はさっと目を戻す。

俺は恐る恐る声を掛ける。

「く、黒金さん?」

十秒魔力の塊は完全に消えた。

「大丈夫か、ボウズ」

黒金さんの最後の言葉で最後の姿だった。黒金さんの体が光になって消えた。

そこに

「人間風情が」

そこには弓矢を持った天使が居た。

感想など待ってます。

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