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102 キング対策士

今回はいつもより長いです。

わたくしは三人を先に行かせて、攻撃してきたおバカさんを見つけることに専念した。たぶん近くで見ているのは気配で分かるが、姿までは見えない。

(相手側から攻撃してくれればやりやすいのに。相手は駆け引きが得意な策士ですわね)

そんなふうに思っていたら、相手が痺れを切らして攻撃して来た。すさまじい速度で何かが三体突っ込んで来る。わたくしはポーン一体とルーク一体ナイト一体に止めさせた。これは自分の駒がどれ位、相手との力の差を確認するためにやる。結果ポーンは破壊され、ナイトは相手を止めて拮抗、ルークは相手を破壊する。

「ほう、私の騎士を防ぐか」

そう言って現れたのは髪が長い指揮棒を持った女性だった。

「あなた召喚士?」

「ええ、私は召喚士ミリアルン・リリスです。以後お見知りおきを」

そう言って腰を折る。

「でわ、こちらも自己紹介を駒沢 久留巳ですわ。よろしく」

わたくしはそれと同時にポーン四体に紛れさせナイトを一体入れて突撃させた。奇襲攻撃。とっさの攻撃に対応出来なかったのだろうか、騎士四体と拮抗した。その内にナイトで攻撃しようとするが、

「甘いですね」

そう言ってもう一体騎士を出す。その間に拮抗していたポーンは地面に叩き付けられたりして、動かなくなる。

「しょうがないですね、私も全力を出しましょう」

その瞬間ナイト周りに五体の騎士が召喚される。

「破壊しなさい」

その言葉でナイトは周りから攻撃され、攻撃を防ぐが数が多く破壊されてしまった。

(まずい、まずいですわ)

単純計算でナイトと同様の強さを持つ駒が合計九体。対してこちらが今使えるポーンは四体、ナイトが一体、ルークが二体、ビショップは戦闘は専門外、クイーンが一体戦力的には不利ですわね。

「それでも勝って見せますわ」

わたくしはそう呟いて作戦を考える。



「さて、お祈りは終わったかね?」

そう言って指揮棒を振る。

「行きなさい」

その言葉と同時に騎士四体は動き出す。

「ポーン、止めなさい」

リリスが可笑しそうに笑う。

「無理よ、さっきやったじゃない私の騎士をポーン何かで」

リリスの言葉は止まる目に前で騎士四体がポーン四体に止められている。

「何をしたの?!」

リリスは焦ったように声を出す。

「ビショップは戦闘力が無い代わりに、味方の支援ができるんですの。例えば能力の底上げとかですわ」

それと同時にクイーンとビショップを残して突撃させた。リリスを守っていた騎士五体のうち四体はルーク二体に吹っ飛ばせれ、ナイト一体に斬られた。

(勝った)

わたくしはが確信した瞬間、背後で召喚魔法が光る。

「え?」

わたくしの後ろに三体の騎士が召喚された。

まずいですわ、そう思った時には遅かった。クイーンがわたくしを守った代償は腕一本、ビショップ二体は切り倒され、支援魔法が切れる。それと同時にポーンが全部破壊され、その穴を埋めるためにルークとナイトが入るが、劣勢だ。

わたくしは三体の騎士と距離を取り、生き残っていた駒を集めた。ナイト一体、ルーク二体、クイーン一体になってしまった。

「全力出すって言ったに、何で騎士が三体も出てくるですの!!」

わたくしがそう言うと。

「あれは嘘です。ここは敵陣なんですよ。」

そう言ってにこにこしているリリス。

「そうですわね」




それじゃわたくしは、攻撃を避けながら隙を見ては駒で攻撃し、騎士を破壊したが余りダメージを相手に与えていなかった。

「くっそ」

「余裕がなくなってきたようだね」

そう言ってにやにやするリリス。このままじゃ、いけないな勝負をかけさせて貰いますわ。そんな思考に達して、わたくしは総攻撃することにした。

「クイーン、ルーク、ナイト突撃しなさい!!」

その言葉でクイーン、ルーク二体、ナイトが騎士に突っ込んでいった。

「バカなことを」

「クイーン、支援魔法を」

「なっ?!」

クイーンの支援魔法で全体的に強くなり、騎士が吹っ飛ばされる。そしてナイトの剣がリリスを貫いた。

「なぜ、クイーンが支援魔法を!!」

「クイーンは駒のルークとビショップの力を両方持ってるんですの。だからわたくしの駒にもそれと同じことが起きたんですの」

「そうか、良いことを聞いたな。それじゃあ、活用しなきゃな」

リリスの言葉に不信を覚える。

「何言ってんすの、あなたはここでおわ」

言い終わらないうちに、リリスの体が光、爆発した。クイーンを巻き込んで

「なっ」

わたくしは訳が分からなくなってしまったが、一つ言えることは

「絶対絶命ですわね」

術者が死んだのに、何で騎士は生きてますの。

「はは、びっくりした?」

地面から生えるようにリリスが出てくる。

「身代わりですの?」

「そうだよ」

そう言った。

「いやーおかしかったよ。滑稽で」

わたくしはこの女の掌で転がされていただけだったこのに気が付いた。

「あなた、召喚士ではないわね」

「そうでよ。私の本当の魔法は土魔法」

そう言って騎士を指さす。

「これは私が地面の鉱物を魔法で圧縮してできた騎士ですよ」

その話の最中に最後の駒ルークが破壊される。

「これであなたの駒は全部無くなったはこれで私の勝ちよ。切り札は最後まで取っとく物でしょ」

そう言って全部の騎士でわたくしを取り囲む。

「最後に言い残す言葉は?」

「プロモーション、クイーン!!」

わたくしの発言に首をかしげるるリリス。

「プロモーがっは」

リリスは後ろから三体のクイーンに刺されていた。

「どうして……」

それと同時に騎士が消える。

「これがわたくしの切り札ですの」

わたくしはそう言ってリリスを見る。

「ついでだから説明するわ、プロモーション、昇格はポーンが敵陣地に入ったらキング以外の駒になれると言うものですわ。」

「どこにポーンなんか」

そう言ってリリスは苦しそうに喋る。

「あら、ありましたではありませんか。最初の駒」

そこ言葉に体が反応する。

「でも、あれは完璧に」

「壊しましたか?」

ポーンは地面にめり込んで動きが取れなかっただけで、壊れてはいなかった。

「それにある程度、召喚士ではないことに気づいてましたわ」

「!!いつから」

「そうですわね、最初におかしいと思ったのは奇襲の時でしたわ。奇襲に動揺してポーンをすぐに切れなった時ですわ。召喚魔法で出したものは何らかの方法で命令を出すことが多いんですの。そこから察するに精神がリンクしている召喚魔法かと、思いきや命令を声で出したり、指揮棒を振るったり無駄が多く最後は指揮棒を振るっていなかった。そこから察するにこの人は召喚士ではないのではと考え付きましたわ。まあ、地面に隠れていたなんて思いませんでしたけど」

わたくしの言葉に自分がいかに抜けていたか気づいたようですね。そこで意識を失い倒れた。

プロモーションにも条件があって、自分と相手または味方がここが敵陣であると明言し、自覚することですわ。

「さすがに疲れましたわ」

わたくしはそう言ってクイーンにもたれかかった。

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