表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
100/120

97 どうしようもないこの思い

「先ほど攻撃止んだと言う情報が入りました」

「で被害は?」

「世界中の教会が破壊されたぐらいです。怪我には居なかったと」

多分使われた魔法は抹消魔法だからだな。ピンポイントに教会を消すなんてとんでもない技術だ。俺がそんな風に思っていると

「聖十字軍からの連絡であの国を落とすだそうです」

聖十字軍とは教会が保持している魔法使いの戦士だ。教会信者の中で魔法少女になったものがそこに所属することが多いが、聖十字軍は自分たちは魔法少女ではなく天使に祝福された者で、魔法少女とは違うと言い。自分たちは正義だと言って魔法少女は悪魔の使いだと言い張っている過激派だ。半ばコケにさせられた様なものだ。教会の権威を守るために動いてもおかしくないだろう。

「また厄介なことを」

そう言って祥子さんは半ば苦虫をかみつぶしたような顔をする。

「でこちらはどう対応しますか?」

「傍観するわ。その間にこちらはこちらでやらなければいけないことをやりましょう」

「それって?」

雪菜が聞く

「結城の妹を取り戻すことよ」

そう言って祥子さんは俺たちに耳に付ける無線機を各自に渡したもちろん俺にも

「俺は参加しませんよ」

「参加したくなるかもしれないでしょ。…正直言うと参加してほしいわ。話で聞いたところ魂どりの手袋で無理やり魂を取られたからこちらも同じものを用意するわ。これは問題ないけど。その後魂を取ったら入れ物に問題があるわ。魂と入れ物が拒絶反応を起こして仕舞うかも知れないから、もともと魂が入っていたボウヤの体に戻したほうが危険はないのだけど」

俺は首を振って

「拒絶反応を起こす確率より俺が足手まといなって誰かが死ぬ確率のほうが高いでしょう」

「……取り敢えず渡しておくわ」

「取り敢えず受け取っときます」

俺はそう言って無線機を受け取り耳に付けた。

「あとデノムを改造するから出して欲しいのだけど」

「俺の魔力じゃ無理じゃないですか?」

「心配ないわ、グラド」

部屋のドアを開けて人型のグラドが入ってきた。

「よっ元気……そうじゃないな」

「まあな」

俺はそう答えて祥子さんを見る。

「グラドに直接ボウヤに魔力を注ぎ込めれば次元空間ディメンションスペースを開け続けることはできるわ」

「分かりました」

グラドは俺の背中に手を置いた。

「行きます」

俺が次元空間ディスメンションスペースを開けた途端俺の中から力が抜ける。

「グラド魔力を」

「分かった」

グラドの魔力が背中から流れ込み次元空間ディスメンションスペースは安定した。

「デノム」

俺が呼ぶとデノムが出てきた。

「どうした最近音沙汰無いと思って心配していたんだが心配……何があった相棒」

「いろいろとな」

俺はそう言ってデノムが完璧に出たのを確認すると俺は次元空間ディスメンションスペースを閉じた。

「はい、祥子さん」

俺は祥子さんにデノムを渡した。

「持って行くわね」

祥子さんが部屋を出て行くのに続いてみんな出て行った。みんなが出て行った後に俺は

「なんだよ」

ただの八つ当たりだそれが分かっていてもどうしようも無かった。

「少しは慰めてくれてもいいじゃねえか!!」

俺はそう言ってまたベットに潜った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ