無機質な世界
誰も知らない
私がどれほど血を流していたのか
もう治ってしまったけど
大きな切り傷に苛まれていたか
潮を流したか
でもそれでなきゃ誰かが死ぬ
誰かが死ねば私は地獄にいく
分からない人には分からない
けれど私は分かってしまう
殺人はいけないこと
自殺もいけないこと
でもいつも誰かは誰かを殺そうとし
誰かが自分の命を捨てるんだよ
それでも人の力には必ず限界があるって
誰も考えようともしない
なにしたって結局は因果でしかない
有機質が欲しければ地獄に行かないでいられるように血で血を洗う戦いに臨むより
公の場で盗みを働く方がどれだけ賢明か
だってここは無機質な世界だから
人間たちが狂ってしまうのがその証拠だよ
神様は同じ形の脳みそを人間に与えたんじゃなかったっけ