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青春研究部!  作者: sun
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青春とは?

初心者ですが、よろしければ読んでみてください。

"青春を謳歌する"それは青年時代をどれだけ楽しめたか。

それは人によって様々で、勉学や部活動に一所懸命励んだ。とか、友達や恋人と良い思い出をたくさん作った。などそれぞれだが、それは人間の短い人生を有意義に生きるうえで非常に大切な時間だ。

もし、"あなたは自分の人生を誇れますか?"と問われたとき、あなたならどう答える?

俺は…わかりません…としか答えられなかった。



これは俺が師匠から最初に教わったことだ。

今朝のことだった。

俺は高校2年の始業式の朝早く喫茶店へと訪れた。

その喫茶店には"仙女喫茶埇フェアリー"と意味のわからん言葉が可愛らしい丸文字で書かれた看板が高々と掲げられていた。

この喫茶店は近所にある…いや、隣だ。

天地春樹(あまちはるき)すなわち俺、は帰宅部で、彼女いない歴=実年齢であり、友達はいることはいるが、正直なところ、あまり遊んでいない。

そんなこれといって特徴のない人間だ。

そして、青春時代を無駄にしてきた人間だ。

カランコローンと音をたてながら店中へ入ると、そこにはフリフリしたスカートに花柄の帽子をかぶった妖精風の人間と、服、髪、眉毛、ながーく伸びたヒゲ、その他もろもろの毛が真っ白いまるで仙人のような人間があぐらをかいていた。

「お、春樹か。良く来たのぉ」

仙人みたいな人間は俺を発見するなり嬉しそうに崩顔した。

二人は、僕の保護者代理だ。

保護者代理というのも、実の両親は『修行に行ってくる』と言って出ていったきり戻って来ない。手紙は時々届くがまったく会えていない。

そんな両親と入れ替わりに隣に引っ越してきたのが成井なるい夫妻だった。

俺の両親との仙友(仙人に憧れを持ち、共に修行に励み苦汁を飲む思いをしてきた友達らしい)だということで、有りがたいことに面倒を見てくれている。

仙友、どんな友達だよ…。

「高校2年に無事進級することができました。これからもよろしくお願いします。」

「ふふふ、そうですか、めでたいですね」

「ほ、ほ、ほ、ヌシも高校2年生かえ、その歳じゃと楽しいことばかりじゃろ」

にかぁと笑顔で問う仙人、成井岳なるいたけし

おいおい、歯まで真っ白だぞ?見た目を裏切るほどの丈夫な歯だな。

いったい実年齢は何歳なんだ?俺の父親と同い年またはその前後だとすると…三十代前半なのか?

妖精風の成井フミさんが美人であることを考慮すると…とても30代に見えない。

「ふふふ、そうですね、さぞ楽しいことでしょう」

フミさんは口に手を添え上品に微笑んだ。

しかし、俺には学校はもとい今の生活はとてもじゃないが、楽しいとは言えないものだ。

「いえ、あまり面白くないですよ。むしろ、学校に行く意味を感じられていません」

嘆息しながら、俺がうつむくと―

「なんとっ!!」

岳さんは心底驚いたのかあぐらをかいたまま飛び上がった。

心なしか浮遊したように見えたのは気のせいか。

「そ、そ、そんなことが…そんなことがあってよいのかぁ!!」

「うぉッ」

岳さんは身を乗り出して奇声と呼べるような大声をあげた。

たじろぎながらも、理由を聞く俺に岳さんは徐々に落ち着きを取り戻し、先ほどの"青春を謳歌する" ことについてを語った。

「ワシの若いころは、ヌシの父親と多くの思い出を作ったものだ。例えば…山にこもったり、山にこもったり、熊とじゃれあったり、山にこもったり、山にこもったり、じゃ」

「ほとんど山にこもってただけじゃないですかっ。すごいけど」

真ん中になにか挟まれていたけど触れないことにする。

「そうですよ。時は金なりです」

その後も熱く語り続ける岳さんに感銘を受けている自分がそこにはいたのだった。


「師匠っ!師匠のお言葉に僕は感動しました。これから自分、天地光輝は青春の師として貴殿に遣わせてもらいます」

目をギラギラさせ、尊敬の眼差しを向けている俺に師匠は少し驚いた様子だったがすぐに笑い始めた。

「ほ、ほ、ほ、そうかそうか何でも相談するがいい。ワシが力になってしんぜよう」

「はいっありがとうございますっ」

「ふふふ、よかったわね春樹君それと、師匠も」

「なな、なにを言っておる」

ふふふと微笑むフミさんに師匠は顔を赤くした。

俺の弟子入りは終始、和やかなムードのなか行われたのだった。




そんな早朝の後、校門をくぐり、グリーンカーテンが掛かった校舎を一瞥して、現在新学年の始業式で地球が大好きな校長先生のecoについての講話?(この学校は校長のおかげでマイ茶碗やら微生物処理ゴミ箱などなど色々とecoについて積極的にとりくんでいる)と春休み中ずっと考え、温めてきであろうオヤジギャグを聞き流し、担任の独身アラサー話を長々と聞かされたりしたが…

「いよいよだ。放課後…我が青春研究部を発足するための人材発掘をはじめる」

今日、午前中の間に先生に聞いたが、部を新しく創るには人数が5人以上必要らしい。

俺は今朝の師匠のお言葉で変わろうと決心したんだ。

固く強い意思もったのだ。

そう、ちょうどこんな堅ーい膝みたいな……っっ!!

「あぶぅッ!!」

ヒュンと膝が耳のすぐ傍の空気を切り裂く。

こんなことするのは…

「よっ、進級おめでとう」

「おい…聖夜(せいや)挨拶がわりに攻撃を放つなと常々言っているだろッ!!」

「んなこと言ったってよぉ挨拶は大切だぜ?」

予想は的中していた。

聖夜は腕を組ながら…真っ白い歯をちらっと見せて笑う。

「おまえのは挨拶じゃないからなっ」

嘆息する俺は、そのまま聖夜から目をそらした。

眩しい…眩しすぎる…。

何故かって?…それは、こいつは、白月聖夜はイケメンだからだっ!!それも、とびっきりのなっ!!

キリッとしてそれでいて優しげな碧眼の瞳、サラッサラの髪、世界中の奇跡を集めたように整った顔面、幻想的に降る雪のように真っ白い歯…。

スラリと伸びた足に、程よく付いた筋肉。

この際モデルにでもなれよ、と言いたくなるほどの容姿の持ち主だ。つか、言われてる。スカウトとかされてるもん…声掛けられてるもん…。

てか、回りに目をハートマークに変身させた女の子をどうにかしてくれないか?例えば、俺の存在を認識させるとか………。

現実の残酷さを噛み締める俺を聖夜は不思議そうに覗き込んでくる。

「何かあったん?」

「いや…この世界も生きにくくなっちまったなってさ。悪いな、今ちょいと忙し……」

まてまて、聖夜を我が青春研究部に入部させれば……。

「おい聖夜、お前部活に入ってたか?」

聖夜はますます不思議そうにしながら応えた。

「いや?特に入ってないけど?」

「そうか、ならば我が青春研究部へ招待してやろう」

しばしの思案顔を浮かべた聖夜は「わるい」と頭をさげた。

なに!?勧誘の仕方を間違えたか!?

上から目線でリーダーっぽさを出そうとしたことが裏目に出たか。し、しかしここで諦めるわけには…っ。

「なぁ聖夜、お前は『青春を謳歌』しているのか?」

悟るような口調で師匠のお言葉を復唱する俺に聖夜は最初は怪訝そうな表情を浮かべていたが、時が進むにつれて瞳の輝きを強くしていった。

「その話、乗ったぁぁ!!」

「そっか、良かったよ」

物分かりが良いようでなによりだよ。

「さて、あとは…。」

キョロキョロと俺と聖夜は辺りを見回した。

「お、あいつは?」

「どれ?」

「ほらあそこ、なにか鉄の塊をいじってるおバカさん」

聖夜の指差すほうへ目をやると、小柄で小学生か?というくらいの少年がなにやらゴーグルを掛けて黙々と何かをしている。

あいつが青春していないのは火を見るよりも明らかだ。

…と、言っても旧友だが。

「おーぃ、陵ぉーー…ウワッ!!痛ぁっっー!!」

聖夜は霧谷陵(きりやりょう)に向かって駆けていき必殺の膝を繰り出した。

そして、陵がとっさに盾にした鉄とごっつんこした。

悶絶している。ゴロゴロ苦しんでいる。

馬鹿だな。

「…わゎ、ごめんよぉ。あまりに唐突だったからぁ、つい…」

「あぁ…わかっているよ…」

陵は何度も頭を激しく振って謝り、聖夜は無理して苦笑した。

「それよりも、なぁ陵、お前は"青春を謳歌"しているのか?」

そして痛みに顔を歪ませながらも勧誘を開始した。

良い根性してるよ。流石イケメン。



………

…………



「僕にもやらせてほしいぃー!!いいよねッ!!」

陵は目をキラキラ輝かせながら俺の両手を握ぎった。

「お、おう」

うなずく俺。

「もちろんだともッ。ようこそ、我が青春研究部へ!!」

いつの間にか聖夜の部活になってるんだが。

いつものことだが聖夜はテンションたけーな。

ウザいくらいなのに何故モテるんだ?

答えは…イケメンだからだ。

「これで三人。あと二人以上…。」

「だれか…いない…か」

再び辺りを見回す。

しかし放課後の教室は殺伐としていて、さきほどまでの賑やかなものとはかけ離れていた。

「誰もいねぇや」

俺は、気付いた。

気付いてしまった。

最も重大なことに…。

「おい……男ばっかじゃないかッ!!青春には異性とのアハハウフフな体験が必須イベントだろ!!」

僕はありったけの声で叫んだ。

そうだ、異性…すなわち女の子とでなければ青春は謳歌出来ない。

「僕もそう思いますッ!!」

僕の声に一瞬怯んでいた陵も手を天高く掲げながら瞳孔をおっぴろげている。

それに対して聖夜の反応は素っ気なかった。

きっと、女の子に飢えている俺や陵とは違う思考をお持ちなのだろう。

「お、おう。そうだな。しかし、今日はもう人がいないぞ?」

「うん。わかってる。明日の放課後空いてるよね?」

自分でもわかる。

きっと俺は不敵に、不細工に笑みを作っているだろう。

「空いてる」けどよ、何するんだよ?」

「それは明日のお楽しみだよ」

ふーん。と二人は承諾してくれた。

これからは日が延びるのだろう。

オレンジ色で暖かい空気に包まれながら俺はボロアパートへの帰路へついた。

貴重な時間をさいて読んで下さりありがとうございます。もしよろしければ、アドバイスやご感想をお願いします。

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