『ホラー』三句
子供の頃に、本当にあった恐怖体験(物理)を三つ。
どれも日常の中に潜んでいた、静かな危険です。
テーマ ホラー(物理)
<1>
扇風機
不意に飛び込む
オニヤンマ
【解説】
子供の頃のハナシ。
母方の実家の裏には小川が流れていて、オニヤンマやギンヤンマなどの大型のトンボが行き交っている。
台所で昼寝をしていたら、バリバリと異音。
バラバラのオニヤンマが扇風機の風に飛ばされていった。
そんなことがよくあった。
脇見運転、ダメ、ゼッタイ。
<2>
太公望
瀬音で気付く
堰の解放
【解説】
子供の頃のハナシ。
近所の川の中州で釣りをしていた。
水音が妙に大きくなっていることに気付き、見ると少しずつ増水している。
これはヤバいと、道具を抱えて土手岸へと走る。
安全なところまで登って振り返ると、さっきまでいた中州は、茶色の水に沈んでいった。
現代ならば、サイレンが鳴るはずだ。当時も鳴っていたのかもしれないが…。
イヤフォンは適切に使用しましょう。
<3>
雪遊び
胸まで嵌まる
用水路
【解説】
子供の頃のハナシ。
米の国では町を外れると、道路の脇は田んぼや用水路だったりした。
米の国は雪の国、1mも雪が積もれば、道路との境目などはわからなくなる。
普段は決して無いのだが、遊びに夢中になると嵌まることがある。
嵌まっても、腕を少し広げれば胸で止まると知っている。
腹這いで動いていけば、沈まずに戻れると知っている。
知らないことこそが、本当に怖いことだと知ろう。
今となっては、消雪パイプマンが積雪を許さないのだ。
どれも昔の話ですが、思い返すと今でも少し背筋が冷えます。
知らないことこそが、いちばん怖いのかもしれません。




