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血肉の刃  作者: joker
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プロローグ

 


 夢を見た――少女の夢。




 小さく、美人で、凛とした背中。

 黒く派手な服を着て、片手にはバイオリンケースを持っていた。




 そして少女はただひたすらに僕の名前を呼ぶんだ。





「晃…晃…」





 切なく綺麗な音色のような声。


 手を欲する少女に、僕は手を差し出さなかった。



 辛さや

 心細さ。


 切なさや

 悲しみ。



 感情が涙に変わった時、僕は静かに歩きだす。



 切なさを紛らわすように、少女を追い払う。



 切ない音色。

哀れな音色――。


 

 いつしか僕の目からは、少女への情が――流れていた。





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