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第45話:条件付きの前線復帰

 処分は、

 軽かった。


 厳重注意。

 それだけだ。


 久遠は、

 それを

 重く受け止めた。


 罰が軽いということは、

 必要とされている

 という意味だからだ。


 非公式の席。


「……戻ってほしい」


 課長代理は、

 正面から言った。


「ただし、

 条件がある」


 久遠は、

 頷く。


「前に立っていい」


「だが、

 すべてを背負うな」


「指示は、

 一点のみ」


「撤退判断、

 切り捨て判断、

 どちらか一つ」


 久遠は、

 静かに確認した。


「戦闘指揮は、

 現場に任せる」


「そうだ」


「俺が斬るのは?」


「……君の判断で」


 曖昧な答え。


 それでいい。


 それ以上を、

 求められなかった。


 復帰初日。


 中層第十二区画。


 久遠は、

 前に立つ。


 剣を、

 抜いた。


 だが、

 声は出さない。


 現場が、

 動く。


 遅い。

 だが、

 動いている。


 モンスターが、

 突っ込む。


 久遠は、

 一歩だけ前に出る。


 斬撃。


 致命ではない。


 空間を、

 切るための一撃。


 流れが、

 変わる。


「撤退!」


 その声は、

 久遠のものではない。


 班長が、

 叫んだ。


 久遠は、

 振り返らない。


 退路を、

 塞ぐ敵を

 斬る。


 帰還。


 被害、

 軽微。


 死者、

 ゼロ。


 医療室。


「……あの人、

 何も言わなかったな」


「でも、

 助かった」


「……怖いけど」


 その評価で、

 十分だった。


 夜。


 久遠は、

 剣を拭く。


 今日は、

 判断を一つも

 出していない。


 だが、

 現場は

 崩れなかった。


 剣は、

 答えではない。


 だが、

 迷いを断つ。


 それが、

 久遠の

 新しい位置だった。


 記録板。


 戦闘参加:1

 判断介入:0


 数字は、

 静かだった。


 だが、

 久遠は知っている。


 この立場は、

 長く続かない。


 必ず、

 次の問いが来る。


 ――それでも、

 誰が決める?

第45話では、

久遠が「英雄にも装置にもならない位置」に戻りました。


剣を振る。

だが、

決断は奪わない。


これは

非常に不安定な立場です。


次は――


現場が久遠に“剣だけ”を求め始める


久遠の戦闘が引き金になる事件


「斬ることで救えない命」が描かれる


へ進みます。

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