表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

白と黒の国の姫の恋のお話。

作者: 七瀬








白と黒の国の姫の恋のお話。



この国では、内戦が起きており白と黒で戦争が起きている。

元々一つだった国が、“白と黒”で分かれてしまい戦争になった。

仲が良かった白の人達と黒の人達。

原因は些細な事だった。

白の子供と黒の子供が喧嘩になり、大人にまで飛び火する。


【ボクの方が強いよ、いや? ぼくの方が強いに決まってる!】



ちょっとした口喧嘩だった。

それがここまで、大きな事に発展するとは? 誰も思っていなかっただろう。

白の人達と黒の人達は完全に対立し、いがみ合い傷つけあうようになった。

両方の人達の犠牲者が何万人となり亡くなっていく。

子供や女性が犠牲なる事も多かった。

“ニセの黒という者が、スパイになり情報を白の人達に流す事もあった。

爆弾が急に落ちてきて、毎日怯えて過ごす日々。

夜も眠れない毎日。

目の前で白の母親を殺された子供が泣き崩れて母親から離れない子もいた。

黒の子供達は機関銃をもち、白の大人を殺す練習をさせられた。

国は爆弾や襲撃のあとで、ボロボロになった。

建物はほとんどが壊され食料や水もない状態が続く。

毎日、誰かの悲鳴の声で朝目が覚める。

そんな日々が長く続いた。








・・・その頃、白と黒の国の姫には好きな男性ひとがいた。

姫は両方の色を持つ姫。【白と黒】平和を象徴するこの国の姫だ!

そんな姫が、黒の一般市民の男性ひとを好きになってしまう。

二人の恋は、今の状況では絶対に実らない!

姫は偶然、黒の男性ひとと出逢った。

【運命的な出逢い。】




『えぇ!? 姫様じゃないですか?』

『あなたは?』

『わたしは、しがない男です。』

『お名前を聞かせてください。』

『ザブロックです、もうこんなところに居ると危険です! 

姫は安全な所に行ってください!』

『次、私と会う時は生きて、また私と会ってくれますか?』

『勿論です! 姫と会うために頑張って生き残ります!』

『それまで、ご元気で。』

『姫こそ!』





姫と黒の男性ひととの恋は、初めて出逢って一瞬ではじまった。

“お互いに一目惚れ”だった。




・・・でも? 今は同じ国の中で戦争が起きている。

ふたりの【恋】は、これで終わりを迎えるかと想っていたが。

戦争が終わり、ふたりはまた出逢う事ができた。




『姫! 会いに来ました。』

『あ、あの時のお方、ザブロックさん。』

『ザブロック“さん”なんて? 姫はこの国のお姫様ですよ。

わたしみたいな者に【さん】など必要ありません。』

『会いたかった』

『わたしもです。』

『やっと、戦争が終わったのですね。』

『そうですね。』

『これで、この国は平和になるのですか?』

『ふたりで平和にしましょう!』

『えぇ、“ふたりで。”』






戦争が終わり、姫は黒の男性ひとと一緒になる事を市民に伝えた。

はじめは反対する者もいたが戦争が終わり皆、平和を望んでいた。



『姫がそれでいいなら。』

『我々は賛成です!』

『この国は姫が平和を作ってください!』

『この国をもう一度、一から平和な国に、、、!』

【おーーーあ!!! わーーーあ!!! おーーーあ!!!】

大きな歓声が響き渡る。





・・・それから、白と黒の国は平和へ向かっていました。

ふたりの間に子供が産まれたのです。

色のある子供が産まれました。

そして、この子が産まれた事でこの国の白と黒の世界も変わりました。

カラフルで、色のある世界に変わったのです。

色がある事は素晴らしい!

平和の象徴! 色のある世界! 色のある国!







この国は大きく変わりました。

白と黒の国は終わったのです。

愛のあるカラフルな国に変わって、皆が望む“平和”な国になりました。



最後までお読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ