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五月六日
五月六日。
ついに、この日を迎えてしまった。
登校日。
またあの現実に引き戻される。
憂鬱。
――でも、体は辛うじて動いていた。
あの人のおかげだろうか。
少しだけ心が軽かった。
――帰路。
雨は降らない。
まだ僕は現実に縛られたままのようだ。
澄み切った空。
変わらない日常。
わかりきった未来。
ニヒリズム。
僕は鬱だった。
どこか、どこか遠くへ
連れてってくれ。
――「夕立に濡れるのを恐れて生きていくより、雨の中で踊っている方がいいじゃない。」
あの人の言葉が頭の中で蘇る。
。。。。
そんなの無理だ。
どんなに薄っぺらくても、どんなに噓くさくても、僕は晴れを求めてしまう。
晴れに縋って生きてしまう。
どこか、どこか遠くへ、連れてってくれ。
――僕は雨が降るのを願っていた。