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最初の晩餐
「ねえ、これ一緒に食べる?」
名も知らない少女が安っぽい菓子パンを差し出してくる。
よくあるスティックタイプの、何本か一緒に入っている、
どこにでも売っていて、さほど美味しくもない、菓子パンだ。
それがどうして。
どうして。
食べると涙が出てしまうのだろう。
ちっぽけな善意に涙が出てしまうほどに、僕は打ちひしがれていたのだろうか。
知らん奴の前で、大人げなく涙を流してしまっている。
恥ずかしい。情けない。今すぐにでも消えてしまいたい。
でも、涙が止まらない。
「ねえ、もしあなたがさっき死んでいたら――」
「今が最初の晩餐ってやつだね」
「っ、、なんだそれ、、」