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第5話 暗黒の森へ

ローゼとフローラは遥か遠くまで広がる中央平原をひたすら歩き続けていた。

気がつくと日は沈み始め、辺りは夕陽でオレンジ色に染まり始めていた。


「…結構歩いたけど、まだ着かないの!?」


ローゼは息を切らしながら、頭に捕まるフローラに話しかける。


「まだもう少しかかるわよ。ほら、もたもたしてないで!時間が無いんだから!」


「ったく…君はいいよな…頭に捕まってるだけでいいんだから…」


「体の小さい妖精族の特権ね!さ、ペースアップペースアップ!!」


「分かってるよ…」


ローゼははぁ、とため息をつき歩くペースを上げた。


ーーーーーーーー


それから2時間ほど経ち、日は完全に沈んでしまった。

真っ暗な平原を、二人は目を細めて進んでいた。


「暗いな…遠くが全然見えないよ…」


「本当ね…でも、もうすぐ着くはずよ…あっ!」


フローラが突然大きな声を上げる。


「どうしたの…あっ!」


それに続き、ローゼも大きな声を上げた。


「ここよ!やっと着いたわ!!」


フローラはローゼの頭から飛び立つと、どんどん先へ進んでいく。

フローラの向かう先を見ると、そこにはとても大きな大木が連なるどこか不気味な森があった。


「うわぁ…でっかい木だなぁ…」


あまりの大きさに、ローゼはポカンと口を開きながら上を見上げる。


「ここが暗黒の森…すなわち、聖なる森よ!この聳え立つ大木達の恵みを受けていろんな生き物達が暮らしているの!」


「へー…こりゃすごいや…!」


見たことのない景色に、ローゼは笑みをこぼす。


「…感動してるとこ悪いけど、今日はここで一休みしましょう」


「え?せっかくここまで来たのに?…時間が無いんじゃなかったの?」


「確かに時間は無いけど…ただでさえ暗いこの森を夜に進むなんて自殺行為だわ。それに、危険な動物…例えばオオカミとかもいるし」


「た、確かにそりゃ危険だ…」


「寝床は私が作るわ。はっ!」


そう言うと、フローラは大木の根元に向け杖を振る。

すると、地面から沢山の植物の根が生え始めドーム状の、まるで家のような寝床が一瞬で出来上がった。


「凄いな…これも妖精族の力なの?」


「まぁね。妖精族は植物と心を通わせてる…ある程度なら自由に操れるのよ」


「へー…世界にはいろんな種族がいるんだな…。よし、それじゃあ今日は寝るか!」


「そうね、明るくなったらミレーユ様の所に向かいましょう!」


「あぁ!」


こうして二人は森の入り口で朝を待つことになったのだった。


続く

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