表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/13

第9話 草の精霊石

『彼ら魔物達が現れたのは約1週間ほど前…。闇の世界から突如として現れた魔軍宰相ロメウスは過去の勇者によって封印されていた魔王を復活させるため、封印の神殿と呼ばれる聖なる地を襲撃しました…』


「封印の神殿…」


『この聖なる森のさらに奥地に建てられている古から存在する神殿です…伝説では過去の勇者達も皆…悪の力を持つものをここへ封印してきたとか…。しかし、建造されてから既に途方もない時間が経ち封印の力自体が弱まっていました…。そこへ現れたのがロメウス…女神様の使いが護衛してはいたものの、弱まった力では闇を抑えられず魔王ザグリフを封印していた封印の剣が奪われてしまったのです…!』


「それで魔王ザグリフは復活したと…」


『えぇ、そして魔王ザグリフの闇の力とロメウスや魔物達の襲撃により私を含めた各地の賢者と呼ばれる守護者達も力を奪われてしまいました…』


「たった一週間程度でここまで…闇の力は相当強いんでしょうか?」


『えぇ…長きに渡る封印により、魔王ザグリフの憎悪や怨念が溢れ出しそれが闇の力へと還元されている…。彼は今、過去の力を超えるほど強大な闇の力を得ています…!一刻も早く賢者達の封印を解き、光を取り戻さなければ取り返しのつかない事になってしまうでしょう…!!』


「そこまで追い詰められた状況だったなんて…それなら早く次の賢者様の所に行かないと行けませんね…!!」


『えぇ、その前に…貴方にこれを授けましょう。女神様の力を取り戻すために必要な精霊石の一つ…草の精霊石です…!』


ミレーユが両手を上に掲げると、緑色の光がミレーユの掌に集まっていく。

そして、ミレーユが手を下ろすとそこには美しく輝く緑色の宝石が乗せられていた。

宝石はミレーユの手のひらからゆっくりと落ちると、ローゼの前にぷかぷと漂い始めた。


「これが草の精霊石…」


ローゼが触れようと手を伸ばした瞬間、精霊石は眩い光を放ち自らローゼの手のひらの上へ降りた。


『女神アルトシア様の力を解放するにはあと二つ…火の精霊石と水の精霊石が必要です…。長く、困難な旅路になるでしょうがどうか賢者の解放、そして精霊石集めをお願いします…』


「えぇ、任せてください!…それで、次の賢者様は一体どこに…?」


『ここから向かうならまずはゴルアナ火山が良いでしょう。森を出て平原を北に向かって下さい。すると、天高く聳える大きな火山が見えてくるはずです…。その麓に住む"リザルド"族と呼ばれる種族の中に火の賢者"イフザル"がいます。まずはリザルド族の者に話を伺うのが良いでしょう…』


「リザルド族…確か二足歩行のトカゲみたいな種族だったわね…。かなり戦闘に長けた種族だって聞いた事あるけど大丈夫かしら…」


『確かに彼らは戦闘には長けていますが、心は優しき者達です。安心して良いでしょう。話をすればきっと協力してくれるはずです』


「分かりました、とりあえずゴルアナ火山に向かってみます。…それじゃあフローラ、助けてくれた上にここまで連れてきてくれてありがとう。俺は行くよ。ミレーユ様もありがとうございました!必ず賢者様たちは解放してみせます!」


そう言い、ローゼは神殿を出ようと後ろを向く。

その時だった。


『お待ちを、勇者ローゼ…』


「え?」


ミレーユに呼び止められ、ローゼは咄嗟に振り返る。


『ここから先、旅をするのに一人では心細いでしょう…。そこのフローラをお供させます。まだまだ頼りない娘ではありますが、少しの力にはなれる事でしょう』


「え?フローラを?…フローラ、君はいいのかい?」


ミレーユの言葉を聞き、フローラは少し考え込む。

しかしすぐに顔を上げ、ニコッと笑みを浮かべた。


「…いいわ、あなた一人じゃ頼りないからね、私が着いてってあげるわよ!」


「ほんと?それはありがたいよ!これからもよろしく、フローラ!」


「えぇ、よろしく頼むわよ勇者様!…それじゃあミレーユ様、私は彼…勇者ローゼに着いていきます。必ずや世界を救ってまた戻って来ますから!」


『えぇ、頼みましたよフローラ…。私もここから離れる事は出来ませんが応援しています。…何か聞きたいことがあればまたいらして下さい。それでは…』


「よし、それじゃあ行こう!次の目的地…ゴルアナ火山!」


「えぇ、行きましょう!」


二人は顔を見合わせコクリと頷くと、神殿を駆け出して行った。


「フローラ、大丈夫かな…」


二人の背中を見つめるルイはどこか不安そうにそう呟く。


『あの娘ならきっと大丈夫でしょう。勇者様もついているし、それに…あの娘は相当タフですから、色々と』


「そっか…そうですね!」


ルイとミレーユはニコニコと笑みを浮かべ二人の背中を見送った。


ーーーーーーーー


ローゼとフローラは神殿を出ると、妖精族のいる村へと戻って来た。


「あっ、戻ってきたよ!」


「すごいすごい!神殿から生きて戻って来た!」


「ねぇねぇフローラ、ルイは?ミレーユ様は?どうなったの!?」


妖精族たちはローゼの周りに集まると、次々と二人に問いかけてくる。


「みんな落ち着いて!ルイもミレーユ様も無事よ!神殿の魔物もこの勇者ローゼが倒してくれたわ!」


「えー!すごいすごい!魔物やっつけちゃったんだ!」


「この人勇者様だったんだ!すげー!」


妖精族達は喜びの声をあげ、ひらひらとローゼの周りを飛び回る。


「それで、今からローゼと私は他の賢者様達を助けに行かなきゃいけないの!だからその間、ミレーユ様とこの森の事は頼んだわよ、みんな!」


「えー、フローラまた行っちゃうの?」


「もう帰ってこないの?」


「ミレーユ様からの頼み事なのよ。それに、賢者様達を解放したらまた戻ってくるわ!」


「そっか…僕たちには難しくてよく分かんないけどがんばってね!」


「うんうん、応援してる!」


「その間、森は俺たちに任せてよ!」


「みんな…ありがとね。それじゃ、行きましょうローゼ。時間も無い事だし!」


「そーだね…それじゃあみんな、また会おうね!」


「うん、また来てね勇者さん!」


「あなたならいつでも大歓迎よ!」


「ありがとね、勇者様!」


妖精族たちに見送られながら、二人は暗黒の森を後にしたのだった。


続く。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ