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プロローグ
今作の主人公は刻宮矢車である。
それは同時に惑露味燐廻も指すこととなる。
他人に干渉されることを嫌い、
家族以外に触れられることを嫌い、
自分の捻くれた性格をも嫌い、
それを隠す為、偽る自分の心をも嫌う。
嫌悪ばかりの殺人鬼。
「そんな彼女が殺人を貫き、気持ち悪い感情を切り刻む物語なのです」
愛着する真っ赤なニット帽とカッターナイフで、
過去に執着し、
現実を俯瞰し、
未来へと墜ちる。
客観的ではバットエンドだが、主観的にはハッピーエンド。
「第一前提とし、補足します」
「彼女は自分が間違っていることを知っています」
「彼女は殺人鬼である自分を嫌ってはいません」
「家族である殺人鬼を愛しています」
「それは彼女を家族は愛してくれるからです」
だから彼女は幾ら揺らいでも、簡単に切り裂くのです。
全て、全て、グチャグチャに。
「凶悪で改悪で醜悪で陰悪でーーーー険悪な殺人鬼の物語を見届けてください」