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「強いて言うなら……朗らかにウランの舞う小春日和ってところかな」と概念的存在である僕は一人の少女に語りかけた。
少女は地面に突き立てた超特急巨大チェーンソーを二、三吹かすことで僕に応えた。
刃には数百万人ほどの血がこびりついていたが(それを洗うところを僕は一度も見たことがなかったのだが)不思議とそれはぬるぬるがりがりと子気味よく動くのである。
ぶおん、ぶおん、ぶおんと回る回転刃。
いわく二回は肯定と言っていたが、三回はなんなのだろうか。今さら確認しようにも彼女はまあそれどころでもないだろう。口や眼球、鼻、その他どこから吹き出ているのか分からないエトセトラから大量の血が流れ出ており、B級ホラーよろしい風貌となっている。
思うに、この超特急巨大チェーンソー。振り回すにしては彼女向きだったかもしれないが翻訳機としてはやや使い勝手が悪いのかもしれない。彼女の意向とはいえ、やはり無理があったよ。
――ほどなくして回転刃が長く一度回ったので彼女はうるさいよバカと言っていたかもしれない。