3 作品イメージのすり合わせなど②
では次に、砂臥様サイドのお返事を中心に書き出してゆきます。
『』内が、砂臥様からのメッセージを抜粋したものです。
『人称は三人称でないと書きにくいかと思います。(中略)薬のやりとりは菱本と渉がふたりで行った感じなので……』
『そもそも麻酔医にしたのは、入手しづらい薬を手に入れられる立場でエリートで激務っぽければなんでも良かった気がします。
ただ、医者だと逆にない気はしました。
薬マニア、良いですね~♪ 』
『菱本が何に悩んでいたかは推測程度で詳かにしない方がいいのかな、とは思いますが……渉の薬に関しては、彼の「死にたい」発言に実は怒りを感じていたので、ちょっと意地悪をした……みたいなところです。
……考えてみれば、酔っている渉が騙される程度に薬を持っている説得力があれば、菱本の職業がなんであれ問題ないです』
『渉の嘘に乗っかるという部分に、流れのおかしな部分は適当に補填してしまって良いです。
後半で自殺未遂患者が菱本だと明らかになってから回想を入れる等ですかね。
あのあと、渉から薬の件を武志が相談され、とりあえず調べてみたらビタミン剤と判る……とか。
前半で自殺未遂をした人が誰かわからず、誰しもその可能性があるところが重要なので、わかった時点からの補足は割となんでもアリです(笑)』
『年齢ですが、アラサーのイメージであれば手前でも超えてても問題ないです』
そして、私の細かい質問に対しての砂臥様の答えはこんな感じでした。
★ 三枝氏の担当教科
『国語の先生のイメージでした。ですが社会でも全然アリですね~。体育はイメージになかったけど、成程、アリですね!(笑)
どうやらかわかみさんのイメージと近いようです』
★ 美鈴さんは彼らと同じ学校?
『同じ学校ですが、そこまで密な交流はなかった感じです。
比較的皆が仲のいいクラスで、男女がそれぞれ仲良しで固まっている……みたいな。
高校の卒業式に武志から告白して付き合いだした感じで考えています。
飲み会に交ざらないのは気を遣われるのが嫌だからですね。
武志が真面目であることと、美鈴が束縛しないタイプというのもあります』
そして、かわかみとしては文体や人称を決める上、かなりキーになる要素である【タイトル】についての砂臥様のお答えは
『『逆光のフォトグラフ』……メチャメチャイメージです!』
でした!
この一文を見た瞬間、私の中で『漠然』だった彼ら四人の卒業式の日の写真が、かなりはっきりとイメージ出来ました。
ちょっとひねた感じに窓の外を見る渉。
キョトンとしている三枝。
友人たちを見守るような表情で、軽く腕を組んで窓にもたれる菱本。
そして……カメラ目線の武志。
武志の目に映っているのは、全身に光を浴びて笑う美鈴。
美鈴は武志にとっての、春の女神……。
(この話は、浜 武志の一人称で語られる話だ!)
骨格に、最初の息吹が吹き込まれた瞬間です。
また、砂臥様からこんなお言葉もありました。
『ラストのシーンのノートのメモ書きがまだ見付からなくて、イメージだけなんですが、映画のカメラワークでいったら美鈴の笑顔で終わるみたいなのは強く残っていて、それにもピッタリ嵌まります!!』
ラストシーンとして、淡い逆光の中でほほ笑む美鈴のビジュアルが浮かびました。
骨格にもうひとつ、息吹が吹き込まれました。
(あ、書ける……書けそう!)
物語が生命を持って動き始めた瞬間です。
《オ・マ・ケ》
タイトル候補に入れていた
『高校時代の友人が服毒自殺を図ってこの世の辛さ・切なさ・儚さを思い知った俺は、同棲している彼女にちゃんとプロポーズすることにした。あ、でもその友人は死んでないよ』
に対する砂臥様のお答え(笑)。
『駄目ですwwwwwwwwwwww
『逆光のフォトグラフ』が出てなければ「いいですよww」とかうっかり言っちゃったかもしれませんが、駄目ですwwww』
たくさん草が生えていますね~。
笑っていただいて本望です。