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3 作品イメージのすり合わせなど①

 さて、準備は整いました。

 こうしていただいた原案を、私はきちんと取り込み、活かし、小説化しなくてはなりません。(だってそういう企画ですから)。


 かなり詳しいプロットをいただきましたが、それでも私は砂臥様ではありませんから、きちんと見えているとはとても言えません。

 思い付いた不明点等を書き出してメッセージを送り、イメージのすり合わせを行いました。


 以下、メッセージのやり取りを中心に、どんな風にイメージのすり合わせ等を行ったのか、書き出してゆきます。


 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 


【かわかみサイド】


 ざっと目を通した印象などを少し書きます。


① ジャンルはきっと『ヒューマンドラマ』。


② 人称は?

 プロットを読んだイメージでは、『浜 武志』さんの一人称が書きやすいかな?と思いました。

 砂臥さんのイメージではどうでしょうか?


③ 菱本さんが薬の錠剤を渡すシーン

 現役の医師であっても、ポケットに気軽に薬を入れて持ち歩いている、部分は、ちょっと弱い気がしました。(まあ鞄かもしれませんが)

 それも『精神安定剤』(ホントはビタミン剤だけど)。

 医師の処方箋がいる薬、ですよね。仮に彼がお医者さんでも(お医者さんだからこそ)、そうそう気軽に、友人とはいえ患者でもない人に渡せない類いの薬でしょう。

 もちろんそれを『精神安定剤』だと思い込むのは渉氏だけで、菱本さんはわざとそう思わせた……と。

 そういう設定と思いますが。


 菱本さんは薬マニアだとか薬オタクだとか、そんな感じをチラ見せさせる、とか、どうでしょう?

 お酒を飲み始める前にビタミン剤等を口に放り込んでいて、『お前、相変わらずやのう』的に武志さんにツッコませる、とか。

 薬オタクだからこそ『アカンやろ、ソレ』な薬も持ち歩いている……的な。


④ 彼らの年齢は30歳くらい?

 渉さんが死にたいくらい焦りを感じてたり、菱本さんが疲れていたり、三枝さんの額が後退していたり(笑)から、彼らは二十代ではないでしょうね。

 まあ、私の知り合いにも高校卒業くらいから付き合い出して、結婚したのは30歳……というカップルもいますが。

 武志さんと美鈴さん、長すぎる春~。

 でもこのカップルはどこか浮き世離れてほやんとしてそうですから、ほやんとしているうちに三十路になっていたかもしれませんね。


⑤ 三枝さんの担当科目は何でしょうか?

 説教しちゃう癖があるのは、私のイメージでは一位が国語科、二位が社会科。

三位は意外と、体育科……かなと。

 眼鏡着用のつぶらなオメメなら、国語か社会の先生でしょうか?


⑥ 美鈴さんは彼らと同じ学校出身でしょうか?

 なんとなく、違うような印象を受けました。

 地元のソコソコ女子大付属の女子高に通ってて(中学は共学で、渉さんと同窓生)、付属の短大か何かを出た後、OLさんになったような。

 渉さんつながりで彼らと知り合い、浜ちゃんと付き合うようになった、と。

 それとも、彼女も同じ高校で当時から彼らとは仲良かったけど、浜ちゃんを意識するようになったのは卒業間近になってから。

 彼女はその後、大学や専門学校などへ行き、卒業後OLさんになった……とか?

 イメージ的にどちらが近いですか?


⑦ タイトルはどんなイメージですか?

 出来上がってから考えるべきでしょうけど、今のところの仮題として私が思いついたのは


『モラトリアムを過ぎても』

『逆光のフォトグラフ』←卒業式の後、この四人を美鈴ちゃんが撮った。


 あるいはいっそ

『死ぬなよ、ばか』

『高校時代の友人が服薬自殺をやらかした』

 などストレートなタイトルもありかな?とも。


 間違っても

『高校時代の友人が服薬自殺を図ってこの世の辛さ・切なさ・儚さを思い知った俺は、同棲している彼女にちゃんとプロポーズすることにした。あ、でもその友人は死んでないよ』

 は、駄目でしょうね(笑)。


 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


 補足を少し書きましょう。


 ①でわざわざ『ヒューマンドラマ』と書いているのは、砂臥様がその前に、ジャンルがよくわからないとおっしゃっていたからです。

 プロットを読む限り、これはかなりシリアスで深い要素のあるヒューマンドラマだと私は思いましたので、冒頭にそう書きました。

 ③は、私としてはちょっと気になりました。

 これ、バレると最悪、医師免許剥奪とかにならないのかしら?と。

 この辺の事情に明るい訳ではありませんが、医療従事者としての倫理上、問題ありそうな気がビビリの私はしました。

 文学作品・エンタメ作品としてのアリナシならアリでしょうが、かわかみは避けるかなと思いました。

 むしろ『素人の薬オタク』設定の方が、思い切ったことが出来るかと……(黒い微笑)。

 ⑤について。

 全国の国語科の先生方、勝手な決めつけをしてスミマセン。

 かわかみが教わった中高校生時代の国語の先生は、程度の差はあれそういうタイプの方々でした。

 きわめて個人的な感想です。


 そしてタイトル。

 私はタイトルと作品の内容が同時に『やってくる』タイプの書き手です。

 タイトルは屋台骨と言いますか、テーマと言いますか。

 作品が上がってからタイトル、という作品もまったくないわけではありませんが、その場合も仮題がないと落ち着いて書けないタイプです。

 そこでこの作品のイメージに近いタイトルはどれだろうと原案者の砂臥様へ問うた訳です。


 結果として『逆光のフォトグラフ』になった訳ですが、他のタイトルだったなら、微妙に作品の色合いが変わっただろうと思います。

 少なくとも『モラトリアムを過ぎても』『高校時代の友人が服薬自殺をやらかした』なら、三人称で書いた気がします。


 ……あ、そうだ。

『高校時代の友人が服薬自殺を図ってこの世の辛さ・切なさ・儚さを思い知った俺は、同棲している彼女にちゃんとプロポーズすることにした。あ、でもその友人は死んでないよ』

 は、あくまで冗談ですよ~。


 拙作『月の末裔』を


『ヤンデレのシスコン兄貴の怨霊にまとわりつかれて超絶困っている私の前に現われた、樹齢800歳の楠に我が君と呼ばれている樹木医と運命的な出会いをした件』


 と言い換えるようなものです(笑)。


 閑話休題。


 長くなってきましたので、砂臥様からの返信・イメージの共有等は、ページを変えて書きましょう。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 面白いです。近代文学の作家は書簡が作品集に入っていたりしますが、それを思わせます。
[一言] おおー! この徐々に物語が形になっていく感じ、凄くワクワクします! なかなかこういう制作過程を見せていただく機会ってないですからね! 勉強になります!
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