8 リフォームの匠(笑)の覚え書き2・転結の部
さて、リフォームの時間です(笑)。
後半部を、原案から少し『逆光のフォトグラフ』ナイズさせていただきます。
〔原案〕
『渉は菱本へ「死にたい」と口にする。
そんな彼に菱本は錠剤の入った小瓶を渡す。
「精神安定剤だ」と言って。
菱本曰く「飲みすぎては駄目だ」とのことだが、そこには含みがあった。
渉は酔ってはいたが、なんとなくそれを理解する。
おそらく「大量摂取すると死に至る危険のある薬」だと。』
『渉は菱本に渡された薬を瓶ごと投げて寄越す。
「馬鹿だな菱本、間違ってたぞ」と言って笑いながら。
日本語で書かれていない為、すぐにはわからなかったが、菱本が渉に渡した薬はただのビタミン剤だった。
渉は「やっぱり死ぬのは怖いから飲めなくて」調べたらしい。
「それがわかっただけでよかった」「死ぬよりは生きる方が多分マシ。逃げることもできるし、楽しいこともないでもない」
そう言う渉。
「どうせ俺がビビって飲まないと思ったんだろうが、間違えて渡しといて、お前が飲んでどうするんだ」』
〔変更点〕
※ 薬を渡すシーンは、そもそも『逆光のフォトグラフ』は武志の一人称ですので、菱本と渉のやり取りを地の文で書けません。ですので薬のやり取り以降の描写は、病室での渉の語りに任せる形に。
※ そして菱本の職業を医師ではなくしたので、簡易であろうとなかろうと『薬を処方』は出来ません。菱本が渉に渡した『薬』は、彼が(趣味で)密かに手に入れた、今は出回らないバルビツール酸系の睡眠薬(致死性が高くて後遺症も残りやすい、かつて処方されていた睡眠薬)だと嘘を吐き、渉の覚悟を問う形に。




