7 脳内ミーティング 美鈴と話そう
さて。
あまり触れずにきましたが、美鈴さんについて。
彼女はパートナーである浜ちゃんを、どう思っているんでしょうね?
隠したりはしないキャラでしょうけど、心の奥底を素直に話すタイプではなさそうですよね、彼女。
なにしろ『犬というより猫』と、原案者の砂臥様がおっしゃっているのです。
猫と意思の疎通が、犬的人格のかわかみに果たして出来るのか?
猫と恋バナが出来るのか?……チャレンジ、にゃ!
召喚!『竹中 美鈴』! すていたすおーぷん!
名前・竹中 美鈴
性別・女
年齢・31(早生まれで誕生日がまだ)
職業・会社員
性格・マイペースで、仕事はソコソコ出来るが、
バリキャリは目指さない。おっとりと
辛辣なことも言う。ただ悪気はない。
その他・趣味の写真を一生続けたい、が夢。
光を上手く使ったフォトグラフが好き。
武志が29になって結婚前提の同棲を開始。
入籍はまだだがあまり気にしていない。
一言・武志から告白され付き合いを開始。
告白前からちょっと気になっていたが、
恋かどうか見極めかねていた。
告白され、初めて男性だと明確に意識。
なんだかんだ言って武志の一番の理解者。
美鈴 「こんにちはー。竹中 美鈴です。何の用?」
私 「んー、ちょっとおしゃべり。美鈴さんのパートナーさんのこととか」
美鈴 「えー?別に話すほどのこともないですけど。どうぞ」
私 「長いお付き合いになるけど、結婚はまだでしょ?」
美鈴 「正式には。でも親戚に挨拶は済ませたし事実婚?」
私 「不満はないの?」
美鈴 「今のままで別に不自由もないし。子供は持ちたい気もあるけど、たあちゃんはイマイチ乗り気じゃないみたいだから。こういうのはアタシひとりで決めるような話じゃないし、たあちゃんが欲しくないならいいかなって」
私 「……物分かりがいいね、無理してない?」
美鈴はふと目を伏せる。
美鈴 「別に無理はしてないけど。たあちゃんは、自分が納得しない限り動かないから」
『たあちゃんは、自分が納得しない限り動かないから』が気になったが、訊いても美鈴はキョトンとして『えー?そのまんま』的なことしか言わないので、アプローチを変える。
私 「お付き合いのきっかけは武志さんの方からでしょ?」
美鈴 「ウン。卒業式の日。渉くんに、後輩からの預かり物を渡すから、後でクラブハウス横に来てって呼ばれて。渉くんはあっちこっちのクラブに顔出してたから、その関係だろうなと思って行ったら、たあちゃん、ああその時は浜くんって呼んでたけど、が、ひとりでいてね。真っ赤な顔で、卒業しても会ってくれるかって言うの。竹中さんがずっと気になってた、卒業したら会えなくなるのは嫌だ、つまり好きです付き合って下さいって。なんか……感動したな」
私 「おお、青春!美鈴さんの、その時の気持ちは?」
美鈴 「浜くんて不思議な子だなって思ってたんだ、そんなに親しかった訳じゃないけど。同じクラスだから班活動とか、やっぱりあるでしょ?そんな時に一緒にあれこれやってても、この人となら疲れないなって思ってたの。距離感と言うか空気感と言うか、そういうのが絶妙なんだよね。アタシにとってだけじゃなくて誰に対してもそうだけど、誰に対してもそうだとわかった時、それってズルいって思ったのだけはなんとなく覚えてる。多分、それきり意識しないようにしてたと思う、意識したらマズいって。つまり好きだったんだって、告白されて気が付いたんだと思う……」
私 「告白されなかったら?」
美鈴 「そのまま忘れたと思う……多分」
ふむふむ。
思わずニヤニヤする私を、恨めしそうに美鈴さんは上目遣いでチロッとにらむ。
私 「じゃあ、現状不満もないし、仲良くやってる、と?」
美鈴 「……うん」
含みがあるというか、煮え切らないというか。
そんな態度がほの見えるが、彼女自身、上手く言えないのだと思う。
男と女が一緒に暮らしていれば、言うに言えないあれこれがあり、不満とも言えない不満、あるいは不安とも言えない不安が、生活空間というか空気に揺曳してくるだろうことくらい、つたない経験からも察せなくない。
彼らは付き合いも長く、実質夫婦として何年も暮らしている。
夫婦というのは、とてもデリケートな絆の在り方だ。
肉親以上に深い絆である反面、明日にでも跡形もなく切れる脆く儚い絆でもある。
事実婚夫婦で子供がいない、二人の仲は、他人にはうかがい知れないデリケートな部分があるのだろうと私は思いました。
召喚終了。




