表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蛹の殻  作者: アラdeathM
26/117

移民のベクトル ~共振、ベクトル和がゼロになる時~

移民という場合、


かつては、強大な国から名もない国へ、


先進的な地域から未開の地へ、


過密な土地から広大な土地へ、


というのがお決まりの方向でした。



もちろん、その逆方向の流れもありましたが、


それは、一般的には奴隷と呼ばれていました。



高度成長前の日本は、


若者が多く、人口構成は上に尖った三角形(デルタ形)だったものと思われます。


現在は、「イメージ的には」下に尖った逆三角形と言っても良いかもしれません。



デルタ形が方向を示すマークだとすれば、


これが逆になったということは、


まさに「方向」が真逆に変わったということを示しているのだと思います。



文字通り、ただ壁にぶち当たって跳ね返された、


ということ以外の何ものでもありません。


その意味では何も間違っていないのです。



我々の前には不気味な壁があります。


これまでの方向を全て跳ね返すような壁が。


そこにある未来は、扉ではなく壁なのです。



その壁を発破で爆破することと、


ディザスターで崩落することとの違いは、


貫通と陥没という言い方程度のものでしかないのかもしれません。


いずれにせよ破壊する以外にないのです。


これまでは、自ら爆破する方が良い結果をもたらすと考えられてきましたが、


次は果たしてどちらが増しであるかさえも分かりません。



跳ね返されたというような受け身的な話ではなく、


これまで同様、意気揚々と得意になって発破を仕掛けに近づいてみたが、


何だか怖くなって引き返してきた、ということなのかもしれませんが、


それに何の違いがあるでしょうか。



いずれにせよ、何か政策が間違っていたからとか、


道を誤ったから、ということではありません。


それこそ消費税導入/増税が諸悪の根源なんて説もあるようですが、


それらはすべて、残らず、


「原因」ではあっても、決して「理由」とはならないのです。



この場合の原因なんてものは、AでもBでも何でも良いのです。


Aが回避されればBが、Bが解決していればCが、


Cという過ちを犯さなければDという原因が発動するだけのことで、


その原因が実際どれであったかはどうでも良いことです。



原因など、無数にある道順の一つを言っているに過ぎないのです。



それはもちろん、


日本人であればこれ以上増やしてはならないけれども、


外国人であれば別に構わない、


というようなことでもありません。



地理的、文化的、あるいは国境など人為的な範囲も含めて、


様々なものが複雑に絡み合った、ある一定の範囲内における、


一人当たりのGDPには限界、飽和値があったということではないでしょうか。



おそらく、日本が最初にそこに到達したのだと考えております。


(必ずしも国の範囲と同義ではないので、


日本の一人当たりGDPが世界一だったことがあるかどうか、


ということではありません。)



向きが変わってしまったことを無視して、


(移民などで)無理に押し返そうとするだけでは、


壁の中に閉じ込められている人数が増えるばかりで


一時しのぎにしかならないと思います。


(数十年単位の繰り延べは十分にあり得ると思いますが・・・。)



端的に言えば、一層の消費減退です。


少子高齢化の不安を軽減するどころか、


移民の結末への恐怖(民族問題の話ではなく、人口増加そのものへの恐怖。)、


もちろん潜在的な恐怖ですが、それらが増々財布の紐を締めて、


一人当たりの消費は一層減少するように思います。


それは取りも直さず、一人当たりの生産性が伸びないことと同義になると考えております。



消費しないから生産性が伸びない、というのは逆のような気もしますが、


もしも両者がイコールであるとすれば、両者に先後関係などなく、


どちら側からでも同じことを意味する筈です。



ではどうすればいいのか。


次回に続きます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ