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蛹の殻  作者: アラdeathM
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18 遅さ競争 AIは少子高齢化にこそマッチする 日本以外はまだ不十分だがすぐに並ぶ

 簿記的に考えるなら、借方で豊かになれば、貸方で人口爆発、環境負荷の増大、資源枯渇などが生じなければバランスしない。クリーンエネルギーへの移行は、ただのボトルネック探しに過ぎない。二酸化炭素や温暖化でなければ他の何かが答えであるというだけだ。それはレアメタルかもしれないし、やはり食料かもしれない。


 人工光合成が実用化されたとしても、AIならいざ知らず人間にとっては不充分だろう。必要なのは単なる物質的な量ではなく、命の循環そのものだからだ。種なくして個体は生きられない、或いは生きる意味がなくなってしまうが、その個体がなくても種に支障はない。生命(という概念)と種の関係も同じである。生命から種が、種から個体が勝手に独立して存在することはできない。食物工場で生産された完全に無命な食品は、環境ホルモン以上に生殖能力を奪うだろう。


 なぜ際限なく生産性を上げ続けなくてはならないのか?それは天国のような時間が止まった理想社会を作るためではなく、ただもう一人増やすためのものでしかなかった筈だ(増えるのは途上国だとしても)。理想はすぐそこに、今にも届きそうに見えていても、目の前にぶら下がっているニンジンには決して手が届かない。それでも、どうしても先へ行かねばならないと考えることになるだろう。例えどれほどの代償を支払うことになろうとも、その先があるのならまだ増しだと思い始める。これまでの発展は椅子を並べることに過ぎなかった。いつしかそれは並び終わり、これからは新たな椅子を創らなければならない。しかし作り方を教えてくれる者はない。借用契約書に記載する必要がなかったのだ。

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