11 比率を決めることはできない。量を求め続ける義務はある。
もしもライオンの比率が100%になれば、そのライオンの中から、以前の比率と同じになるだけのシマウマ役をオーディションしなければならない。そんなキャスティング(配役)ホルモンとでも言うような作用がある。比率・配役の浸透圧とも言える。その時代、その地域の必要性から発せられるオーダーホルモンのようなものもあるだろう。ひきこもりは、新時代への適応シミュレーション役をキャスティングされたに過ぎない。
ジャイアンやスネ夫を排除すれば、のび太やしずちゃんや出来杉君達の中から、新たなジャイアン、スネ夫が現れてくる。だが、AIにジャイアン・スネ夫・のび太を配役するアルゴリズムなどあるだろうか?ないとすれば、そんなつまらないドラマに神は我慢できるだろうか?
地球と言うパイも全てが利用されている訳ではないが、無駄の効用、未利用分も含めての比率が厳然とある。人類が利用可能な範囲、つまり比率を拡大することは、新たなパイの創造とほとんど同じ(新たな取り決め)で、既に目の前にあるパイ(宇宙)を手にするよりも難しい。火星に小さな橋頭保を築くことができれば、量としては意味がなくても比率的には分母が増えたこと(新契約)を意味するから、地球のみの場合には限界となっていた比率を取り払い、地球を過飽和状態まで使用することができるだろう。
新たなパイを持たずとも、在り方を変える(ライオンからチーターへ・天然から養殖へ等)という方法もある。AIはその在り方に変化をもたらすだろうか?当たりくじを増やすには、それ以上の外れくじが必要だが、先進国の豊かさの裏側に途上国が存在してくれていたように、全ての不幸をAIが負ってくれる、割を食うのはAIだけということになれば、全員が当選者になれるのだろうか?
なぜ食い尽くす前に限界が来るのか。なぜ量の前に比率を食い潰してしまうのか。人間が地球にとって猛毒ならば、想像以上に致死量、比率の限界が近かったとしても不思議ではない。