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期末テスト(1)

9月。

それは多くの学校にとって二学期の始まりだが二期制の学校だと少し趣が違う。

期末テストという普段遊び惚けている連中が多少なりとも勉学に励む時期なのである。

進学校となればなおさらだ。

朗太はじめ勉学に腕に覚えのある者たちは打って変わったように勉学に打ち込む。

超絶イメチェンを果たしクラス美女ランキング三位につけた優菜は時の人で、クラス外からも多くの男子生徒が見物に訪れていた。

そしてそのような美女をゲットした大地もまた、一躍時の人だった。

大地は顔が広い。

多くの男子生徒が、やったな、と大地に称賛を送ったり「この幸せ者ぉ!」と雑絡みしに来ていた。

そんな親友を横目に辛酸を嘗めたのも今や昔。


「数列数列数列ぅ!!」


深夜。朗太は勉強机にかじりつくように試験勉強に打ち込んでいた。

それでいて朗太は小説も手を抜かない。


「小説小説小説ぅ!!」


オラオラオラオラァ!! 

能率よく進め過ぎたせいで小説書く時間が生まれちまったぞォ!? 

良いのかそれでオラァ!! オラオラオラオラァ!!


とオラつきながら文章を生み出し続ける。

それでいて筋トレもこれまで通り行っており


「腹筋背筋三角筋僧帽筋!! ウオラオラオラオラァ!!」


と最近筋トレ部部長から教わった筋トレ方法で肉体強化も続け

それでいて


「ふぃー」


とか言って気持ちよさそうに牛乳を飲むものだから家族としてはなかなか気持ちの悪いものがある。


「おにぃって時々マゾっぽくなるよね……」

「え、そう?」


牛乳を飲んでいると深夜のバラエティを見ていた弥生が顔を引きつらせていた。


「だって、テスト勉強と小説と筋トレを並走させているんでしょ?」

「ま、まぁな」

「だってのにちょっと楽しそうじゃん」

「いや楽しくはないぞ?」


大きな誤解である。


「でもその三つを並行してきっちりやれる自己管理能力の高さは凄いと思うわ」

「ま、まぁここに姫子の依頼が入るとあっさりパンクするんだけどな?」


だがここ最近はテスト前ということで姫子への依頼もぱたりと止んでいる。

きっと他の学生も多かれ少なかれ勉学に励んでいるのだろう。


だからこそ朗太は現状自分のペースを保てているし


「それに今回は期末だからな……。終盤戦は筋トレも小説も止めて勉強のみに集中するよ。小説は流石に小説はお休みだな」

「うん、それが良いよ」


弥生は微笑んだ。

このように朗太たち学生は人が変わったように勉強に励んでいた。


「朗太、聞いた!? 地理の山張り?」

「聞いてない。なんかあるのか?」

「多喜子たちが聞きに行ったら谷口の奴がゲロッたそうよ!」

「なんだと!?」


それはヤバくない?!

休み時間、姫子のタレコミに朗太は食いついた。


「凛銅君、この遺伝のところなんだけどさ、この問題の解き方わかる?」


またある時は風華が参考書片手に尋ねてきた。

朗太は比較的理系の成績が良い。それもあって白羽の矢が立ったようだ。

聞かれた問題は朗太が既にといたものであった。


「解き方も何も解答集に書いてある通りだと思ったんだけど……」

「うん、それは読んだんだよね。でもここの一文の意味が分からなくて」

「!?」


そして指さされた文章の意味を風華に説明しようとするとなかなか難しい。

というよりも朗太も勝手に分かった風で済ましていた部分で、自身も謎に直面することになる。


「え、あれ、確かに分からん」

「でしょ!! これおかしいよね!?」

「いやでも解答集でしょ? 間違ってはいないでしょ。ちょっとまって」


朗太と風華は小一時間その文章の意味を解き明かすことに頭を使うことになる。

風華は成績もそこそこ良いし、何より地頭がとても良い。

だからこそ普通の人が引っかからないような場所に逆に引っかかるケースもあるのである。

そしてこのような分かっていた気になってそのままにしていた内容をきちんと理解することが何よりテストに好影響を及ぼすことも、ままあることである。


「先輩、ここの問題なんですが」

「あぁー、懐かしいなそれ」

「やったわねーそれ」

「あれ、どうするんだっけそれ」


また朗太たちが三人であーでもないこーでもないと言い合っている所に纏が問題集を抱えてやってきて、朗太たちの良い息抜きになることも、よくある光景だった。


こうして9月序盤の日々は飛ぶように過ぎていき


「ではこれより現代国語のテストを始める」


期末テストの時期を迎える。


(ここ風華と一緒に解いたところだ……!)


朗太たちは必死に問題を解いていった。そして――


「おつかれーお兄ちゃん」

「疲れた……」

「どうする。今日は夕飯から?」

「飯食って風呂入ったら速攻で寝る」

「はーい」


一週間の地獄を終える。

それが済めば


「では答案を返却する……」


答案返却の時期だ。


「凛銅、お前、今回も良く頑張ったな」

「ありがとうございます」

「ま、成績順は変わって無かったけどな、ブハハ」


教師から渡された結果によると朗太の教科全体の成績はクラス三位。

数Bと生物と地理はクラス一位。

残すはクラス三位から六位の間でばらつくような感じだった。


一方で姫子は


「ふっふー朗太。私現国何位だったと思うー?」

「い、一位だろ……」

「はい正解ー!!」


と現国を始め複数科目で学年一位。クラス内でも当然一位という具合で成績を取っており、


「やるねー姫子」

「風華もどうせ良かったんでしょ」

「私はクラスで七番よ」

「やるじゃない」

「アンタが言うと嫌味にしか聞こえないわ」


という具合の好成績。

纏も


「私もクラスでは二位でした」


というのだから朗太の周りの女性は皆才女である。

いずれにせよ九月という時節は矢のように過ぎていき、九月が終われば当然、十月。そして十月と言えば――


「朗太、覚えている? 文化祭の件」

「忘れるわけがないだろ」

「2年C組の梔子さんのために文化祭の入り口を変えたりもしたけど、でもそれだけじゃダメよね」

「そうだな」


朗太は放課後、廊下を歩きながら頷いていた。

人の流れを変えるために入り口を増やすなど手を打ったのだが、それだけでは足りない。それは朗太も分かっていた。


「ちゃんとヒトが流れるように誘導しないといけないよな」

「でしょ。テストも終わったことだし、それを練るわよ」


そう、十月とは文化祭の時期である。

二人は今後の三年生を打ち負かすべく策を練っていたのだが――


二人にとある知らせが届いたのは、それから数日後のことだった。








気になっている子に聞かれた内容に限って分かってない現象。あるある。


いつもありがとうございます。作者の玖太です。

まずは感謝を。皆様のおかげで再びランク入りを果たすことが出来ました。

応援ありがとうございました! 感想も多めに頂けて。感謝に尽きません! ありがとうございました。


で、次話以降なのですが……当初の予定通り文化祭編を始めようと思います……!

また文化祭編は出来る限り頑張って『連日投稿』しようと思っています。

理由は二つです。

まず一つ目ですが、プロットを組んだところ今のペース(週2)で投稿すると二カ月以上かかることが判明した( ˙-˙ ) え?

そして二つ目ですが、本当に申し訳ないのですが恐らくヘイトを感じるであろうシーンがあります……! これには私自身対策をしていて、実はすでに6話ほど書き上げているのですが、改稿を繰り返しています。

それ以降の話数もヘイトを稼ぐシーンは同様の処理をし投稿しようと思っています。

ヘイト感じるシーンありで二カ月ダラダラは危険だと思われるので、連日投稿という対応です。

プロットは組んでいるので、多分連日投稿出来るはずです……! 少なくとも6話目までは確実に……!(おい)

もし無理そうでしたら予め後書きにて書いておこうと思います。

また終盤になると、書き上げ→改稿→改稿→即日投稿になると思われますので0時ジャスト更新は失われると思われます。申し訳ないです。


次話投稿は明日(6/10)、または明後日(6/11)です。

全ては7話目以降の書き上げ具合に寄りますね。

宜しくお願いします!




てか夜中(21時くらい)ランニングしていたら制服着た男子高校生から「これ食べて頑張ってください!」ってプリッツ貰ったんですが!? どういうこと!?




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1巻と2巻の表紙です!
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