徒花(1)
再開します。お待たせして申し訳ありませんでした。
~これまでのあらすじ~(これだけ押さえておけば分かる)
自分の進路と姫子たちから寄せられた想いで進退窮まった朗太。
そこにクラス一の人気者である瀬戸基龍が話しかけた。
そう、朗太と瀬戸は知り合いだったのだ。
これまで無視し合っていた朗太と瀬戸。
彼らの衝突が始まる。
長らく続く。そう思われていたものがある日突然、プッツリと切れて無くなることはよくある。
きっと『これ』もそういったものの一つだったのだろう。
その上、『これ』は前触れが多すぎて、突然なのかどうかも疑わしい。
どちらかといえば長年かけて摩耗していた糸が切れたような、必然。
起きた変化は劇的だが、そうなるべくストレスはかかり続けていたのだ。
時はまだ朗太と瀬戸が言葉を交わした直後のことである。
朗太と瀬戸の周囲の生徒たちは、ピタリと足を止めて静まり返っていた。
校舎へ戻る生徒たちの雑踏が遥か彼方のもののようだった。
「き、基龍……?」
「え、基龍と凛銅って元から知り合いなの……?」
瀬戸の傍にいた生徒たちは呆気に取られているようだった。
「え、嘘。意外」
「基龍君そんなこと全然言っていなかったじゃない?」
「あぁ、昔、ちょっとな」
瀬戸の親友であり、朗太とも交友のある津軽は神妙な面持ちで俯き、騒ぎを見かけて、駆け寄ってきた緑野は瀬戸と朗太を交互に見て困惑していた。
「朗太、着いてこい」
瀬戸は踵を返して校舎とは違う方向へ歩いて行く。
事の次第を見届けようと多くの生徒がそれに続く。
朗太も瀬戸の言葉に抗えなかった。
そうしながら朗太は中学時代のことを思い出していた。
というわけで再開しました!
もー忘れちゃったぜ! という方ばかりだとは思いますが宜しくお願いします!
あと本日もう一話更新しています。




