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コミカライズ第5話更新 短編集


本日、コミカライズ5話が掲載されています。

凄いので是非見てみて下さい!

それと今回は短編集です。

コミカライズに合わせ一応、慣れないながら書いてみたので宜しくお願いします。

短編集のためカウントは中止です。












◆◇◆《誕生日プレゼント》◆◇◆







※※ 一応この短編では夏を想定していますが朗太の誕生日は未だ不明です ※※







 夏休みが迫った日のことだった。

「アンタ、欲しいものないの?」

「急にどうした?」

 放課後教室に居残っていたら出し抜けに聞かれ朗太は顔を上げた。するとそこには恥ずかしさで顔を赤らめる姫子がいた。

「ホ、ホラ、アンタの誕生日、近いでしょ。それで……」

「あぁなるほど」

 つまり普段のお世話になっている朗太に誕生日プレゼントを渡そうとしてくれているわけである。殊勝な心掛けである。なら欲しいものは一つだった。

「才能、かな。小説の」

「買える物にして」

 ぴしゃりと姫子はこちらの戯言を切り捨てた。

 どうやら朗太への感謝と朗太の戯言に付き合うかどうかはリンクしていないらしい。

 とはいえ朗太に欲しいものなどそうそうない。

「買える物?! でも買える物で欲しいものないぞ?! 俺が欲しいものは金で買えないものばかりだ!」

「ふーん。そ。じゃぁ才能以外で何が欲しいのよ」

「そうだな。無償の愛、とか?」

 むかっぱらに来たので適当ぶっこいてやった。すると姫子から反応がない。

 顔を向けてみるとこれまで以上に顔を真っ赤にする姫子がいて、呟いた。

「あげてるじゃない……」

「はい?」

「あげてるじゃないって言ってるのよ! もう良いわよ分かんないなら!! うっさいわね!! だまりなさいよ!!」

「お前恥ずかしがったり怒りだしたり滅茶苦茶だぞ!!」

 表情変化の目まぐるしい姫子に朗太は狼狽した。










◆◇◆《AI》◆◇◆






※※ 風華と付き合い同棲した場合のifストーリーです ※※







 風華と同棲し始めてもう半年になる。

 高校時代絶世の美少女だった風華は社会人になった未だもってもとんでもなく美しく、時々自分が本当に付き合っているのか信じられない気持ちになる。だがそれは本当に、今もこうしてテーブルで雑誌を捲っているように、現実で、夢のような同棲生活が営まれているわけだが、暮らしている以上いつまでも夢見心地でいられるわけもない。今は現実に向き合わないとならない時である。


「風華、さん」

「うん? なに?」

 おずおずと声をかけるとTシャツ・ショートパンツというラフな格好の風華が顔を上げた。

「あの、ですね」

「うん、」

「最近、ですね」

「うん、」

「部屋汚くないですか?」

「うん……」


 風華はとっちらかった2LDKのリビングをげんなりと見下ろした。

 そこでは昨日風華としたゲームがTVの隅で散らかっていたり、朗太の買った本が重ねられていたり、風華が読んでいた参考書が転がっていたりしていた。

 日々朗太と風華、それぞれで明確な分担もなく掃除をしているのだが、それ以上の速度で散らかるのである。

「汚いよね」

 その思いは同じだったようで風華は頷いた。


「結構二人で掃除しているのに、ね……。どうして汚くなっちゃうんだろう。あんまりしたくないけど曜日ごとで担当分けてみる?」

「うん、まぁそれはありかもしれないけど、今は物の散らかりはどうでも良くて、問題にあげたいのは埃とか塵とかでさ。最近、俺たちルンバ買ったじゃん。あれ、ちゃんと動いてる?」

「あ、うるさいから私たちが仕事行ってる時に設定している奴ね。え、動いていないの?!」

「多分。見てくれ風華」


 朗太はリビングに敷かれたカーペットを指さした。


「今日ふと気が付いたんだが、奴が動くとこのカーペットの上を通った時に特徴的なしわが付く。だがここにはそれがなんと無いんだ」

「ホントだ……!」

 風華はずびか! と稲光が落ちたような顔をした。

「ということはあのルンバ監視の目が無いことに気が付いてサボり始めたってこと?!」

「そういうことになる」

「なんてこと……」


 風華はあまりの驚嘆で口元を抑えた。


「さすがAI……」

 

 ……


 ……流石か?

 感心している風華に朗太は心の中でツッコミを入れる。

 いずれにせよ、設定の問題だろう。


「説明書どこだっけ?」

「あ、戸棚に入れておいたよ!」


 朗太は戸棚へ向かい出した。






◆◇◆《工夫》◆◇◆






※※ 纏と付き合いだした後のifストーリーです ※※

大学編。






「ここが先輩の部屋ですか!」

「あぁ、ここで一人暮らししている」


 大学一年生になった朗太。東北の大学に通う関係で一人暮らししているところに夏休み、纏が遊びにやってきた。高校三年生になった纏は付き合いだした一年の頃からますます磨きがかかり、まさに花も恥じらう乙女という感じで、そんな美少女が自身の下宿先に入るとなれば、付き合いが長いとはいえ胸が高鳴るのだが

 

「きたな!」

 その美少女が朗太の部屋に入るや否や渋面を作っていた。

 確かに朗太の借りている下宿はまぁ足の踏み場もないほど散らかっているわけだ。家にいた時はそれなりに綺麗にしていたが、監視の目が無くなった瞬間から一気にだれてしまった。電気を点けていないのも手伝い朗太の部屋は目を背けたくなるほど雑然として見えた。

「お皿洗っているんですか?!」

「見ての通りだ」

 シンクに積み重ねられた皿タワーに朗太は深く頷く。

「あ、服もかけっぱなし!」

 洗濯用ラックにかけられたシャツを見咎め纏は指さした。

「あ、それにカーテンもレールにちゃんとひっかかってない! 先輩一体どういう生活しているんですか?!」

「大学の課題やりながら小説書いているとどうしてもね」

「それは何の理由にもなりません! まだアマチュア小説家にくせに! ていうか!」


 纏は部屋の奥にあったブツを指さした。


「なんですかアレは……」

 その声はどこか怯えているようにも聞こえた。


「洗濯カゴだが?」

 事も無げに朗太は答える。

 纏が指さしたのは部屋の隅に置かれたカゴだった。

 しかし、ただのカゴではなく――

「え、いやいやいやいや!! 洗濯カゴは良いんですよ! 洗濯カゴはね!? でもですよ! なんでそれが洗濯物の最終到着点になっているんですか?! カゴの中乾いた服で一杯じゃないですか! 普通は洗って干した後、畳んで仕舞うんですよ?! なんでカゴ二つも買って綺麗になったものをカゴに戻しているんですか?!」

「あぁそういうことね」

 ――というわけで衣服で山盛りになっているのである。

 朗太としては日常の風景過ぎて違和感も無かったが、普通の人からすると異常に映るかもしれない。言われてみれば確かにその通りである。

 しかし、朗太としても確固たる信念があり行っているのだ。それは――


「でもさ、畳むの面倒くさくない?」

 というものである。

「え?」

 朗太の信念に纏は瞠目した。

 そんな言葉を失っている纏に朗太は腕を組み力説した。

「一人暮らしを初めて3カ月。俺は気が付いたんだよ。畳んだってどうせ着るんだし畳むのは時間の無駄だってな。靴下を2足纏めて丸める瞬間がこの世界で一番無駄な時間だってことに気が付いた」

「いやでも二つ一緒にしないと履きたいときもう片っぽ探さなくちゃいけないですか」

「あぁ、それな。大丈夫だ。なぜならな」

 朗太はどや顔で言った。

「俺も工夫してな全部黒のソックスで揃えた……。相方を探す必要もない」

「なんって無駄な工夫……」

 朗太の明後日の方向を向いた工夫に纏は握りこぶしを作り唸った。

 そして「これが働き方改革だ……」と依然、謎のドヤり方をする朗太の手を取ると纏は外へ向かった。


「先輩! 服! 服買いに行きますよ!!! それと食べ物も!! ちゃんとしたご飯食べていないようなので私がちゃんと栄養のあるものを食べさせてあげます!」

「お、おう……」

 玄関を出て日差しの下へ出る。

 今日も暑くなりそうだ……。












 はい!! というわけでコミカライズ更新に合わせた短編3話でした!

一緒に?コミカライズ第5話もご覧下さい。(逆かな?)

繰り返しになりますがコミカライズ5話、朗太と姫子の良さがこれでもかと出ている良い回になっているので是非! いやほんとに、凄すぎてビックリしました。

 で、次章の投稿ですが、書き進めてはいるので、コミカライズ1巻が発売される頃には更新を始められていると思います!


 あ、それとコミック一巻が9月24日に発売です! 

 予約も始まっていますので是非宜しくお願いします!




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1巻と2巻の表紙です!
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