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聖剣使う美少女(脳筋)が相棒です  作者: 東雲 立風
Chapter 1 -ITALIANs Break Heat《イタリアからの新風》-
7/188

4.5 with five stars

 この世界にはあの時から未知の生物が現れるようになった。


 神、魔王、ドラゴン、エルフ、よくわからない異形のモンスターなど。

 

 多くの神やドラゴンは人と関わろうとしない。

 逆に言えば、魔王や闘王なんかはモンスターを率いて人類への攻撃を開始した。

 戦火が舞い、血が流れ、 多くの犠牲者が生まれた。


 結局はあの10人が世界を再び平和に戻したわけだが。

 それまでと言えば、人に能力が突然現れたこともあり、うまく使うことも、活かすこともできなかった。

 

 そこで国際連盟発案で生まれたのが『小隊制』

 単純な話、5人でチームを、もとい小隊をつくり、最終的には小隊同士を合わせ大隊として戦わせるという内容だ。

 

 それじゃあ今までの軍制と変わらないと思うだろうが、能力が発現した当時は、自分の能力を過信し突っ走る奴がほとんどだったようで、軍部も個で挑ませるところが多く、それだけで数えきれないほどの能力者が死んでいった。


 小隊制の本質は『突き詰める』こと。

 新たな小隊制とそれまでが違うのは、 その突き詰めるという行為を『さらに突き詰めた』こと。

 相性、 能力共に適合しうる者で固め、 とことん連携する。

 それこそ一心同体になるまで。

 一体となった小隊でやっとヤツらと戦えるのだから。



 魔王やモンスターは人間よりも強い。

 身体も、能力も、そして知恵もある。

 個で勝てないなら複数で、その甲斐あっての今だ。


 だが全ての魔王の侵攻が収まったわけではない。

 ときおり彼らは動き出す。

 だからこそ今でも小隊制は重視されるものであった。



 

 現在では、国際連盟指揮のもと、国際間の円滑化と戦力強化の意味を込め、毎年『国際選抜小隊戦』が行われる。

 参加するのは能力先進国10ヵ国。

 18歳以下で構成された小隊を、各国から2チーム選出し戦い合わせるというものだ。

 

 1年に1回頻度の、高校生以下参加のオリンピックみたいなものだと考えてほしい。


 内容は平和なオリンピックとはかけ離れた血生臭いものだけど。


 現代の若者にとって、この国際選抜小隊戦はまさに憧れの舞台。

 ある種のお祭りといってもいい。

 そして出たら出たらで、政府からの内定を貰え将来安泰という、良いことだらけのイベントだ。


 

 毎年開催日は8月。

 夏真っ盛りの時期だ。

 開催国は毎年ローテンションだが、 皮肉にも今年の舞台は『日本』だそうだ。

 いやはやこれは神の悪戯なんだろうかと思ってしまう。

 

 これをどう楽しむかは人それぞれなわけだけど。

 

 高校生以下の、国の能力育成機関に属する者は、国内予選への参加が強制される。

 国力増強の意味もある。

 自由参加では意味がないということだ。


 俺が編入したセント・テレーネ学園も例外ではない。

 ここに通う以上、当然俺もイタリア予選へ参加しなければならない。


 

 知っているだろうか?

 小隊というのは、入学してからすぐに創られるのがデフォだ。

 強力な能力者は入学する前からマークされるのは当たり前、能力がイマイチでも記念的な意味もあって友達と組んだりするヤツもいる。

 そもそも中学の時点である程度のチームは出来てる。

 じゃあ余り者はというと、学園からランダムに、同じく余った者とチームを創らされる。


 ようは入学した時点でほぼグループが成立してしまうわけだ。


  

 そしてよくよく考えてほしい。

 日本なら入学するのは当然4月。

 さあ今から小隊組もうぜ、となってる時期だ。

 

 俺もコッチに来てから知ったが、欧米諸国の多くが、入学するのは『9月』だそうだ。

 イタリアも当然のこと9月スタート。

 4月に始まるのは日本くらいらしい。


 

 もうお分かりだろうか?

 俺が編入したのは4月。

 すでにイタリアの入学式から半年以上経過しているわけで、 流石に余っている人間は皆無。


 トニー曰く『もう1人で出たら?』

 なんて言われたが流石に1人じゃ参加できないだろ。

 規則によれば最低でも2人以上が条件だったはず。

 そもそもだ、もし1人参加が大丈夫でも、ボッチで小隊戦とか新手のイジメにしても酷すぎる。



 この際、どこでもいいから仲間に入れて欲しいってのが正直なところだ。

 




 

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