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聖剣使う美少女(脳筋)が相棒です  作者: 東雲 立風
Chapter 1 -ITALIANs Break Heat《イタリアからの新風》-
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3.5 with Black Suit

 「——四道 夕がエイラ・X・フォードに接触したと連絡が」

 「……そうですか」

 「すでにイタリア政府機関が防御陣を展開していたようで、被害は聖堂1つで済みそうだと」

 「イタリアに回す金がまた増えますねえ……」


 僕は日本能力者統括委員会に所属している。

  

 組織の目的は『日本国籍を持つ能力者の管理統括』

 常に国民の安全を考え、全能力者を把握し対応するのが仕事だ。

 政府の人間の象徴ともいえる黒服を着て働いている。 

 今日も今日とて、四道君をイタリアに届け、仕事終わりのフライト中だったわけだが。


 「陽が昇らない内に、わざわざ到着するようにしたんですけど————」

 「情報によれば、聖剣使いは昼までロシア西部戦線にいるはずでしたがやはり……」

 「情報操作でしょう。見事に掴まされましたね」



 エイラ・X・フォードは本来、ロシア西部戦線にいるはず。

 こちらの予想では最低でも13時までは戦線から動けないと考えていました。 

 それが1、2時間のズレならともかく、まさか陽も昇らない内にローマに現れるとは。

 

 初日は何にしろいちゃもんをつけられ易い。

 口実を作られる前に学園に送るつもりでしたが、間に合いませんでしたか。

 

 「機関も我々がいなくなってすぐ迎えに行ったようですが、すでに四道 夕の姿は無かったと」

 「シンクロを使ったのでしょうね」

 「おそらくは」

 「はあ。まったくもってチートな能力です」



 彼の能力はシンクロ。

 気温の低下もあったのでしょうが、きっと気配探知の意味も込めて『大気』と同調したのでしょう。

 それならば一定範囲内で第三者への警戒、及び大気との一体化に近しい状態となるため、自身への気温による低体温化も避けられる。


 彼にとっては一石二鳥ですが、我々にとっては裏目に出ましたね。

 まさか少しも待機することなく即決で行動するとは。


 (散歩でも、なんて言ったのは間違いでした)



 「やはり、事前に伝えておいた方がよかったのでは?」

 「余分な情報は行動を鈍らせます。それに彼をその気にさせてもマズいですから」

 「しかし……」

 「それにいざ戦いになったとき、我々が派遣するはずだった人員も敵と見なされる可能性が大きい」



 彼には『シンクロ』という突出した能力がある。

 それ故に能力階位ランクも16歳の時点でS級にも認定された。

 それだけでも日本側としては、自国戦力を少しの間でも海外に出したくなかった。

 それは彼の能力を世界に公表するに等しい。

 

 それに加え、彼には秘密兵器とも呼べる『第2』の能力がある。

 魔槍テンペスト。

 数日前まで地中海を牛耳っていた羅刹王バルハラが持つ滅神の武具。

 聖剣と同じくそれは人の手では造れない、ある種ダークマターとも呼べる武器。


 

 四道君は羅刹王から貰ったと言っていましたが、内情を知らないものからすれば『奪った』と思われるのが道理。


 羅刹王の力を間近で見ていたヨーロッパ諸国が警戒するのも無理はない。


 ただ彼が彼女と戦った時点で運命の歯車は動き出したでしょう。


 歯車が絡み合い、導き出すのはどんな結末か――――


 

 「2人が恋仲にでもなったらおもしろいんですけどねえ」


 頭にそんな夢見がちな考えが浮かぶ。

 見えない結果。

 見えない結末の中で流石にこれは無いでしょうけど。

 



 



 「はたして君はどんな未来を創るんだろうか――」



 





 

 

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