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聖剣使う美少女(脳筋)が相棒です  作者: 東雲 立風
Chapter 9 -Dream to see on The Eve 《戦前夜に歌響く》-
150/188

120.5 with Gather again

 「変幻! 空間ごと消滅しました!」


 太平洋上で突如始まった戦闘。

 ただ此方とて観測を日々全力で、反応するのにそう時間はかからなかった。

 ただ、その行われるその高度な戦いに度肝を抜かれる。

 なにせ銀神、魔女王、変幻という異色の面子。

 しかも相手は()の裁定者、人類の物差しでは測れないもの。


 「っ変幻は何をした!?」

 「……分かりません。……ただ次元への干渉を確認、転移魔法に似たものかと」

 「コッチも同じようなデータ取ってまーす!」

 「つまりは時間つう概念ごとブッ飛ばしたってか」

 「時を超える能力、そんな隠し玉があるとはなぁ」

 「変幻自在の名は伊達じゃないってことだね!」


 変幻一行の戦いぶりは見事なもの。

 人類では出来なかった、裁定者の居場所も暴いてしまう。

 しかし相手が強すぎる。

 神と魔女の王をもってしても打開不可能だとは。

 

 「消えた変幻の索敵に入れ! 裁定者からも眼を離————」

 「裁定者! 亜空間へと消滅しました!」

 「っ! 逃げられたか!」


 此処を取り締まる上の人間も必死。

 なんせ失敗は社会的に首が飛ぶことに、いや、そうではなく物理的に。

 放置が導くのは地球の破滅だ。

 観測のプロたちはすぐさま次の動きへ、ただ心中には感嘆と恐怖が。

 あまりにパラメーターオーバー、あらゆる数値は歴史を塗り替えるもの。


 「……観測を続けろ。私は会議に向かう」

 「「「「「了解」」」」」


 黒いスーツは焦りの色、いろいろな思考が交差。

 足早に向かう目的の地、ただ標的の力は不明のまま。

 変幻も姿を何度消せば気が済むのか。

 

 「こちらの事も考えてほしいものだ————」
















 「それで、変幻も裁定者も行方知れずと」

 「……はい」

 「うーむ。彼には困ったもですなあ」

 「案外フォード卿よりも、扱いづらいかもしれないですね」

 「まあその話は置いておこう。まずは————」


 各国の重役が集まっての重い会議空間。

 ひたすらに費やす裁定者への対策。

 ただ策という策はそう出るものではない。

 サクサクしたクッキーを別物、まるで緩いプリンに変えるような話。

 柔軟な思考どころかダ・ヴィンチでも創り出せない正解の道だ。


 「しかし完全体でない銀神は兎も角、まさか魔女王まで敗れるとはな」

 「最後の一撃は相当の威力でした。おそらく観測史上で最大のものかと」

 「それでも効かぬか……」

 

 魔女王に逸話は多い。

 最も有名なのは、魔王10体抜き。

 文字通り、敗北無くして魔王を10体倒し、自らの魔法が最強だと言うことを証明した。

 また魔王連合との大戦には人類の英雄、賢者の書を屠ったことも。

 どういう立場なのかは不明、時には魔族を倒し、時には人類にも牙を向く。

  

 「ただ裁定者が敵という認識は我々と同じ、味方に引き込める可能性も」

 「ですな。それに変幻とは相当仲が良い様子」

 「なんやかんやと、あの男はモテるのう」

 「彼が持つ最もな力は、周りを惹きつける謎の魅力かもしれませんな」


 ここに居る誰もが認めている、いや認識している。

 四道 夕という男が、高位能力者の中でも異端も異端だと。

 被弾も違反も恐れない鋼鉄マインド、持ち得る手数はSS級というランクを考慮しても多すぎるくらい。

 

 「まあ余談はこれぐらいにして」

 「そうだな。あの案についてだが————」


 円卓の中に咲く華、策は多々、その中でも際立っていた1案を提示。

 政治も歴史も正義も平定に、それぞれが制止するかどうかだけが鍵となる。


 「反対の国はいるだろうか?」

 

 中心点が纏め役に反論の声は上がらない。

 制止は越えて静寂へ、正々堂々、正解を求めて承諾。

 人類の99パーセント以上が地球の危機を知らない現状況、この選択の責任をもって、存続を掛けての大勝負になる。

 魔王連合に活躍した、の10人の英霊を想起。

 今回もまた、人類、いや、星を救うに選ばれたのは若き英雄たちである。


 「では、それぞれの最終確認をする。各国の代表は返事をしてくれ」


 返事は承諾、イエスの意味。

 腕組、重い腰、細めた眼が真理を穿つ。

 国の代表が解禁の言葉を返す。


 「まずはイタリア、『脳筋』エイラ・X・フォード」

 「承諾します」

 「アメリカ、『歩く核弾頭』クラーク・カヴィル」

 「イエスだ!」

 「ロシア、『赤眼の殺し屋』ユリア・クライネ」

 「問題無し」

 「フランス、『冥土送り』シルヴィ・ベルンクール」

 「認めよう」

 「イギリス、『穢祓者』アーサー・グリンドリィー」

 「オーケーだ」

 

 1つ1つ、丁寧かつ大胆に。

 自信を持たねば先は見えない。

 

 「スペイン、『無敵艦隊』べリンダ・ドレイク」

 「構わんのう」

 「ドイツ、『鎖』ヨーゼフ・ヘルツガー」

 「はっはっは! 誉れ高きドイツ軍人は世界の危機に対してするべ————」

 「中国、『死皇帝』李 周明」

 「はい」

 「日本、『巫女姫』星之宮 伊吹」

 「承認します」


 ここまで名前並べばもうお分かり。

 数ヵ月前に活躍したばかりのとある小隊。

 彼らが再び集う時。

 

 「そして最後の1人、同じく日本から」

 

 人類の危機を救うのは何時だってヒーロー。

 緋色に染まる大地を真っ白に正す。

 

 「————『変幻』四道 夕」


 揃った10人はヒーローか英雄か。

 ただ既に歴史に名を刻むその集団はとある異名を持つ。

 常識なんて知らない自分勝手の最高峰。

 ただ実力は折り紙付き、その部隊の名は————


 「最強の脳筋アルティメット・パワーズ、召集だ」


 

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