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聖剣使う美少女(脳筋)が相棒です  作者: 東雲 立風
Chapter 8 -Starting of the END 《魔女王の後継者》-
129/188

103.5 with starting of the END

 善があれば悪がある。

 悪があれば善がある。


 表裏一体、リバーシブル、当然の理。

 どちらか片方だけが存在するということは絶対にない。

 行ったことのない天国と地獄を思い描くのと同じ。

 未確認未発見でも、受け継いできたDNAは理解。

 平等と不平等という見えない天秤を本能は担いでいる。


 

 22世紀の地球は能力者の時代である。

 人間の勢力は年々増加し、他種族を淘汰。

 青い星を支配下に置いていた。


 人間にとっては、今の世界は善で溢れており、平和に思えているかもしれない。

 しかし他の種族にとってはどうだろう。

 外に姿を晒そうなら捕獲か殺害。

 ならざる者には肩身が狭く、毎日がひたすらに息苦しい。


 そんな生活に対して生まれるのが『悪意』である。

 

 ふつふつとそれは募っていく。

 魔族、魔物、エルフ、精霊、彼らは自分たちがこの世界を支配したいと願う。


 実力に見合わぬ思想。

 叶うはずもなし。

 ただその黒い感情は消えることなく、ある場所へと向かう。

 ある場所、それは『裁定者』という存在が眠る空間だ。


 裁定者とは正す者、裁く者。

 世界の平定を保つ存在である。

 善と悪が一極化した時に顕れる、平等の代弁者で体現者。

 宇宙の均衡を保つために、宇宙自身によって創られた審判者と言ってもいい。


 裁定者は次々と星を周る。

 平等が崩れようものなら、破壊という名の制裁によって全てを無に。

 ひたすらにその繰り返しだ。


 ノアの箱舟すら沈没させ。

 仏いる浄土も叩き割る。

 死者の書も燃やし塵とする。

 あらゆる宗教、祀り上げる神を消し飛ばす。

 まさにその力は宇宙そのもの、一度ひとたび顕現すれば止める術はない。

 否応なく裁きをこの身に刻むことになる。


 

 長々と語ったが端的に、もっと分かりやすく言おう。

 裁定者とは生物にとってのラスボスである。

 ただ勇者の剣も、魔王の魔法も、神の拳さえ効かない無敵のラスボスだが。

 

 攻略手段は皆無。

 アブソリュートの障害、悟りを開く間もなくあの世逝き。

 かのキリストさえも、裁定者の前には十字架を地に落とすことになるだろう。


 

 地球の終わりは始まっている。

 タイムリミットはすぐそこまで。

 青き星の裁定体制は完成を目前。

 人類の単位で正確表示、残された時間は数か月、両手で数えられるところまで迫っていた。 

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