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聖剣使う美少女(脳筋)が相棒です  作者: 東雲 立風
Chapter 7 -School Festival and Ring 《幻の思い現実に》-
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 「————これより、セント・テレーネ学園祭を始めます!」


 遂に始まり、生徒会長の言葉でスタートをきる。

 多忙は弾け祭りの到来。

 歓喜渦巻き天高く歓声が響く。

 グラグラ感性を揺らす群衆の熱、人の不可視なる熱気が人を飲み込んでいく。

 

 「さてと、じゃあ教室に移動するか」

 「ね、眠い……」

 「俺もっす……」

 

 既に集まった全生徒はそれぞれの居るべき場所、やるべき事へと。

 勿論無いなら無いで他を巡る旅路に。

 我がクラスやるのはメイド喫茶、女性が主役は当たり前、前評判もそこそこ。

 こそこそしつつ、俺たち男勢は全力で裏方に回る。

 そんな中、俺含め隣に居るトニーとザックも直ぐに仕事があるわけだが、こいつらにはどうにも元気がない。


 「いいよなあユウは、あの後帰れてよ……」

 「朝までずっと作業してっすから……」

 「まあ、お疲れ」


 レネのメイド姿を見た昨日、男子勢は魂を抜かれ仕事が手につかず。

 それがルチアの逆鱗に触れ、怒りの大爆発。

 文字通りの爆破で教室に被害が。

 主犯格たるトニーを筆頭に朝まで居残りの修繕作業をさせられたそう。


 (俺は今日エキシビションあるし、早く帰らせてもらったけど)


 男子同罪という雰囲気の空気、ただ流石にエイラ戦は万全の状態で挑みたい。

 ルチアには秘密と言ったが、結局は彼女にだけ特別打ち明けた。

 驚かれはしたが了承。

 無事に帰宅し、皆と違いぐっすりと眠らせてもらった。


 (体力、神力、魔力、コンディションは完璧だ)


 どれも質は良い。

 といっても、神力の貯蓄タンクについては満タンとは言えない。

 ニューヨーク戦からまだ1ヵ月も経ってないわけで、中規模魔槍なら兎も角、最終形態である巨大魔槍までは厳しい。


 (まあ地上、学園の中で撃てる代物じゃないし。蓄えあったところで使えはしないから結果は一緒だ)


 「あら、またやる気がないのかしら?」

 「あ、ルチア」

 「「っげ!」」

 「早く準備しなさい。さもないと……」

 「いやあ働きたくて仕方がねえな! 行くぞザック!」

 「うっす!」

 「「うおおおおおおおおおおお」」


 俺の時とは段違い、今までが勘違いかって勢いで走っていく。

 その速さは流星に匹敵、星となってこの場を去る。

 サルベージは来ない、いま現れたのは燃える最凶の司令官殿だ。


 「なかなかのお手並みで」

 「まったく、手間がかかって仕方ないわよ」

 「ははは……」

 「それで、調子はどうなの?」

 「そこそこ良い。これといった問題は無いかな」

 

 能力的にも、身体的にも。

 問題を考えてる思考は論外、本題は唯一つ。

 立ちはだかるエイラという存在だけ。

 運なんてものは力でねじ伏せられる、実力だけの一方展開世界。

 そこをどうやって進むかが鍵、右手に銀を、左手に風を、導いてみせる正解。

 解放するリミッター、ターボはフル回転、手抜きは無い。


 「にしても驚いたわ。まさか貴方が参加するなんて」

 「まあ……」 

 「それともこれはまだ序章、この後にまだナニカ(・・・)あるのかしら?」

 「さて、どうかな……」

 「眼が泳いでるわよ」

 「……勘弁してくれ」

 「ふふ。まあ詮索はしない。試合、楽しませてもらうわ」


 随分と読みが鋭いようで、ただ核心までは迫ってこないよう。

 ホント、初めて会ったときと別人。

 感情の扱い、間合いの取り方が上手い。

 操り人形とまで言わないが、どうも見透かされている気分。


 「あといくら試合に出るからって、こっちも手伝ってもらうわよ」

 「もちろん。精一杯やりますとも」

 

 星の過ぎた道を後追い。

 呼び掛けに追いかけ、盛り上げにダイブ。

 ライフを謳歌、夢見る幻の世界前の現代ワーク。

 一仕事をしにトニー達の元へ向かう。

 このあと、それこそ死ぬほど働かされたのは言うまでもない。

 精一杯などと言葉吐いたこの口を恨むは後の祭りであった。

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