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魔法について

――――一般的に魔法について伝えられてる事は何でもできる、という文字通り魔法だった。何百年前ほどには魔法がこの世界に溢れていた。なんでもできるが故に、魔法を使った抗争が後を絶たなかったらしい。




――魔法。

それは奇跡。

それは我欲。

それは神からの贈り物。

求めるが故に、破滅をもたらすモノ。




魔法という言葉が生まれたのはいつからかはわかっていない。世界と共に、時間と共に変化をし続け、語られ続け、それがいつの間にか魔法、という言葉に変わっていたらしい。


らしい、というのはそれくらいしか魔法に関する資料は残っておらず、今の世に証明する前に魔法という存在は滅びてしまっていたからだ。


滅びてしまった理由として、先述の魔法を使った抗争が原因である。


魔法は偉大で、なんでもできるが故に魔法を使ってこの世の全てを手に入れようとする悪い魔法使いが後を絶たなかった。


それを良く思わない魔法使い達が、その悪い魔法使い達を倒そうと、何年、何百と抗争を続け、気がついたらこの地から魔法使いと魔法の存在は無くなっていた。


戦争が終わる理由は今も昔も変わらない。何もできなくなった時点でその抗争は終わる。例え、何でもできる魔法だとしても、抗争中に魔法が使える者がいなくなった時点で戦争は終わる。


まさに喧嘩両成敗だ。



そして現在。

魔法がおとぎ話になるような、何百年の時を得て、今に至る。


おとぎ話のような世界に強い憧れを抱きながら話すこの水無瀬楓のような少女もいれば、どうせ夢幻の話だろ、と冷たくあしらう坂原樹のような者もいる。


そしていつの間にか、魔法はおとぎ話のような存在になっていた。




「…まぁそこまで理解してるなら樹くんはバカではないよね?普通なら憧れるじゃん魔法使い。やっぱ樹くんてロマンがないだけ?」


「そもそも目で見たことがないものに憧れを抱くっつーのが無理のある話だろ。あれか?お前は夢ばっかみてるピーターパン野郎なのか?」


「もう大人になんかなりたくなーい!って?やかましいわ」



ノリツッコミをした水無瀬を無視しながら坂原は歩いていく。


途中、物凄く高く、それこそ空に届きそうな建物が坂原の目に入った。学校の帰り道、確実に目につく見馴れた光景なのだが、その建物は、坂原が物心つく歳の頃にはそこに聳え立っていた。


誰が何のために立てたのか、親に聞いても、誰に聞いてもわからない、と言われるだけの謎の建物だった。


そもそもアレは建物なのだろうか、と坂原は考える。


坂原はあの建物らしきものの近寄ることが過去に何回かあったのだが入口らしき場所が、アレにはないのだ。



「世の中、何も考えずに建物つくるとあんなふうになるモンなんかぁ…?」



独り言のようにぶつぶつ言いながら歩いていると、急に水無瀬に肩を掴まれる。



「んだよいてぇな」


「誰かいる」


「あ?」



水無瀬が指をさした前方を見ると、不思議な格好をした人影があった。


周りには人込みが沢山あるというのに、その人影だけ、やたら目立っていた。


少し遠くから見ている坂原達には、人込みがその不思議な人影を避けて歩いている風に見えた。


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