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神の居場所(シンノイバショ)
あぁ、こんなところにいたのですか。全く、いくら探させれば気が済むのやら…。
とは言ってもこんなところに落としたのは私のミスなんだがな…。
さぁ、早く彼女を導かなければ。
…いや、導かない方が良いのかもしれない。とはいえ彼女はこの世界、この場所にいなくてはならない存在…。あぁ、どうするべきか。
そうだ、彼女を試してみよう。今年から数年間アイツ等も仕事がなく暇をしているところだろう。
そうと決まれば早速準備だ。アイツ等を呼んで会議を開かなければ。久しぶりに楽しくなりそうだ。
私は椅子に掛けていた燕尾服のジャケットを着て、テーブルに置いていた愛用のシルクハットを被り元いた場所から後ろへと歩き出す。
口元の口角が上がっているのが自分でもわかった。
「さぁ、神を導きに行こう。」
私は小声で無意識に呟いていた。