第一話*始まりの夢
この世界には裏と表があるということをあなたはしっているのですか?
表は…そう、あなたたちが幸せに闇を常闇を知らぬに愚かに暮らしている普通の世界です。
裏は…あなたたち、一般人が知るわけもない「怪」と呼ばれる魑魅魍魎がはびこる世界。
あなたたちがのうのうと暮らしているのにはね、理由があるのよ。
あなたたちが知らない闇の底で働く人々がいるのよ。
彼は特別な力をもっている、神が授けたとか悪魔が授けただとか地獄の使者だとかいうけれど…
その力は「呪われた手」とも呼ばれているわ。
人々はそんな彼らを彼らの努力も知らずにただ陰険に、不気味だという気持ちをこめて
「DET≪デット≫」と呼ぶわ。
***
普通の日々。普通の毎日。平凡。そうだ。平凡だ。
佐々木原 嘆樹はいつもと同じようにあの悪夢にうなされて眼を覚ます。
恐ろしい、おぞましい自分が殺される夢。
右手に何か怪しい刻印がしてある髪の毛の長い女が自分を殺しにくる夢だ。
なんて恐ろしい夢だろう。
いつも殺されると思ったその瞬間に目を覚ます。
だから朝は嫌いだ。気分が悪い。ゆっくりと上体をあげ嘆樹は頭をかく。
嘆樹は中学三年生。まぁ普通だ。平凡な中学生だ。
とくに秀でたところもなく、頭も運動能力も芸術とか音楽とかたけているものは一つもない。
すべて平均値なとにかくなんでも平均な普通の中学生だ。
でも一つだけ。ひとつだけ、そうだ、一つだけ普通じゃないってところがある。
それは彼の両親がお金持ちだってこと。
というか嘆樹の父は有名な医者であり稼ぎもよく
そして母は有名な技術者なのだ。
父と母は毎日働いていて家にいない。嘆樹ひとりをのこしてはたらきにいく。
家にいるのはお手伝いさんの田中さんだけだ。
「朝ご飯ですよー!」
田中さんの声がする。
急いで降りていかないと。
嘆樹は今日も「一日」を始めるのだ。
はじめまして。箋絨谷安曇です。
興味をもって呼んでくださったかた、なんとなく読んでくださったかたありがとうございました^^
これから頑張っていきたいと思います。
自分はあき症なので続けられるかどうかがとても不安ですががんばって続けていきたいと思います。
それでわ。