もう笑わないで
吾輩は猫である
そうどこかの誰かが言っていた
名前はまだないと
私には
好きな人がいる
同棲を初めて
もうはや1年
だけど
私は遊び相手
時折別の女を家にいれては
私を相手にもしない
寂しいとは言わない
女がでていけば
私をかまってくれるから
いつもそばにいるのに
私以上にあなたを知っている人はいないのに
あなたは私だけをみてくれないの
あなたに呼ばれれば
いつだってあなたの元へいく
あなたが寝た後も
私はひとり暗い部屋
あなたを見つめて眠りにつくの
それでも
あなたは気付かない
他の女をつれては
笑う
私じゃない人に
笑う
もうやめてよ
これ以上
私を苦しめないで
私だけ見ててよ
思うように体が動かないの
あなたみたいに
思うように声が出ないの
あなたみたいに
2本脚でたてないの
あなたみたいに
言葉なんてしゃべれないの
あなたみたいに
ニャァ・・・
私はここに居るよ
必死で叫んでも
でるのは
ニャァ・・
私は猫
あなたに拾われた
叶わない
報われない
だけど
この先一番あなたのそばにいるのは
私
猫に生まれたことを
嬉しく
恨めしく
そう思いながら
今日も待ってる
かまってもらえるのを
吾輩は猫である
名前は恋
あなたのそばにいる
哀れな猫です