表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
優しき矛盾  作者: 半月
9/32

魚と涙と風と

怖い。

その声にあらがえない事を私は知った。

薄々感じてはいた。でも、はっきりとはしていなかった。

怖い。

不意につく恐怖。

犯されそうなほど強烈な言葉に甘美な誘惑と、音。

怖い。

逆らえなくなってしまいそうな自分が。

怖くて仕方がない。

私は○○ではない。

それは、私もあなたも互いにわかっていたはず。

毎日可愛がられ、そこに微笑んでいるのは“私”じゃない。

あなたの呼ぶ名前も“私”じゃない。

元々“私”ではないのだから、そうではないと考えること自体おかしいのだけれど。

怖い、怖い、怖い。

音、鼓動、温もり。触れてはいけない。触れたら戻れない。

甘美な、あまりにも優美なその罠のような誘惑に、私は手を伸ばしかけて、躊躇っている。

なれるのならば、あなたの一番大切なものになりたいけれど。魚は涙を流さないでしょう?人間は一筋縄ではいかないでしょう?風は同じ場所にずっとは止まれないでしょう?

それと同じなの。

何故私は……なの。

これ以上刻めない何を刻むというの。

それ以上もそれ以下もないまま、漂わせて。

漂わせていて。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ