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優しき矛盾  作者: 半月
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鳴いて、鳴いて、喜びの歌を。

鳴いて、鳴いて、美しい声で。

私は息を潜め狙う。美しい声とそのやわらかな肢体を。

ねぇ、鳴いて。

もう一度、私にその声を聴かせておくれよ。

私を見つけた美しい声の持ち主は、飛び上がると、逃げるどころか私を抱き締めた。

甘える気分じゃないと噛み付くと、寂しげな顔でそれは私と距離をおく。

ねぇ、鳴いて、鳴いて。

美しいその声で。

手足を伸ばし、私に近寄ろうとするのなら、その体に痣ができるほど強く噛み付いてやろうか。

ただ鳴いてくれればいいんだ。

美しい声も、美しい体もいつの間にかどこかに置いてきてしまったこの私に、鳴いて声を聴かせておくれ。

その美しい肢体を奮わせながらさ。

悔しいなぁ、悔しいなぁ……。

視界が徐々に見えなくなって、目から暖かな何かが落ちた。

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