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紅桜
似たような光景の、似たような毎日の、似たような日々の中
ガラスの悲鳴と鉄の破片が鳴り響いた。
桜の花びらが吹き付ける中、新とついたものは心踊らせた。
赤く赤く広がる波紋
ふわり、ふわり、舞い降りる花吹雪
キラリ、キラリ、光る破片
うつせみ、刹那に失われ、紅が大地をも飲み込めば、紅く色づく桜は静寂を呼び、やがて大きな波紋を呼んだ。
優しき大地の色
散らばった輝き
失われた時、光は戻らず
流した雫は行く統べもなく絶望の色を灯した。
強い赤の色、流れ出た青の色、静寂を呼んだ桃の色、普段の灰の色。
崩れて崩れて流れ着く
戻らぬ時は過ぎ行き、哀惜短く涼気は紅桜を運ぶ。
失われた情報は真実味ないままに拡散され、やがて忘れ廃れて消え行くのだろう。
紅桜、散り行き流され、天地も泣いて、やがて小さな花いかだとなり流れて消えるだろう。
題名の読み方は、「べにさくら」でも「くれないさくら」でも、「あかさくら」でも構いませんが、作者としては「くれないさくら」とさせていただいております。だからといって、絶対そう読めというわけではございません。お付き合い頂きまして、ありがとうございます^^




