18/32
光りの指輪
丸い世界をつなぎとめた
指輪は光り、回りはじめ
光りの層が積み重なって
暗やみができた。
さまよいはじめた光りは
本来を失ってもねじ曲がり別の場所へとたどりつく答えを探している。
銀のスプーンがちらばって
仲間外れの小さなフォーク
ナイフ達はクスクス笑い
お皿たちはカチャカチャとダンスする。
注がれたそれは、なぁに?
ダイモンドは、キラリと光って
ガラスは、ピカリと反射した。
まるで、まるで、ブラッド・ダイモンド
まるで、まるで、小さな砂粒一つ。
受け継がれるかぎり
価値があるとされるかぎり
滅ばぬ体。
燃やせば醜くなる?
燃やせば美しくなる?
銀の食器たちは答えに困って
壮大な闇の中に溶け込んだ。
「仲間に入れて」
甘いマーマレードと
暖かな紅茶
砂糖はお好みで、と添えられ
誰かはマドレーヌをかじる。
それは、それは、柔らかな時間で
それは、それは、暗やみと指輪から始まっただけの、優美な、あまりにも優美な贅沢だった。




