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願う
甘美な音に、切な声
鼠は空を走り
人は宙を切る
太陽の暖かな日ざしは、一体何人もの人を照らしだすのだろうか
空の青さは、一体何人もの人の心を癒すのだろうか
そして私は、一体何人もの人を守り、見送るのだろうか
人はコロコロ変わる
物もいろいろ変わる
どれ一つとして同じものはない
光の中に舞う、塵でさえも
歪んだ音に、虫の声
鳥は飛べず
魚は閉じ込められて
自然は空へと手を伸ばし、過ぎ去り、朽ちゆく生命たちをただ眺めた
もちつもたれつ、守り、守られる世界
私もいつか、その腕に抱かれて、朽ちゆくのだろうか
そんな時が巡ることを月明かりの下で、願った




