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優しき矛盾  作者: 半月
10/32

車椅子

バカみたいね。私は喜んでいる。

しっかりと、立ってくれたこと。

私を表面上だけでも求めてくれたこと。

その一つ一つにただ、喜んでいた。

軋む車椅子。握られた、手。

私自身、狂ったようになっていた。

ただ、ちょっと長く一緒にいただけ。

ただ、他の誰よりも親身になりたいと身を乗り出しただけ。

別にあなたにとって、私が特別なんじゃない。

歩み出そうとして、歩み出せず、腐りかけようとしていた。

別に私じゃなくてもあなたは時が経てば……。

わかっているの、わかっているの。

でも、それでも今、あの瞬間だけは、私を求めていたと思わせて。

例え、あなたが口にする言葉は、私に向けられたものではなくても。

空は燃えるような赤紫だった。

音は、不気味なほど私の体に刻みついて、風は私の体を貫くように通り過ぎた。

きっと太陽の赤さでわからない。

きっと木々のざわめきで気づかない。

きっと空気の冷たさでわからない。

何も、何も。何もかも。

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