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底へ沈む。
罪を歌う僕がいた。罪を歌いながら、自分を苦しめていた。
君は、ちょっとだけ笑った。
それは、大気中に散布して、やがて、淡く溶けて鈍色に輝いた。
僕は僕を知っていた。僕は僕を知っていた。
鳥に惹かれていた。僕は、音にならない泡をはくだけだった。
僕は僕を知っていた。僕は僕を知っていた。
想いは、ぎゅうぎゅうに締め付けられて、一つばかり眺めてしまって、僕は溺れていく。
いらない、だけど弱い僕は、欲しい願う。鳥も、あたたかな日差しも。
僕がぎゅうぎゅうになるのは仕方なくて、僕がどんどん沈んでいくのも仕方なくて、僕は僕を戒めるために冷たい刃を突きつけた。
僕は僕を知っていたのに、僕は僕を知らないふりをした。
泡を吐き続けて、柔らかな日差しと美しい翼に魅入りながら、僕は沈んでいく。
罪を歌う僕がいた。罪を歌いながら、僕は刃を僕に向ける。
弱くて、弱くて、矛盾を求めて、弱虫な僕は、どんどん沈んでいく。
魚のように青い宙を泳げたならば、風のように碧い大地を駆け巡ることができたならば。
どれも叶わぬ夢を見て、眠るように、引き上げられる時を待っている。
永遠に目覚めぬかもしれない時をすごしながら、白んでいく視界を眺めていた。




