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ナルシス!  作者: Rain
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ナルシストと民

とーんでもなく自己肯定感の高い俗に言うナルシストの主人公三倉成樹。

いつものように楽しく自分を肯定しながら登校していると、道端の犬コロがしゃべった!?

学校についても不自然に聞こえる声は止まなくて…どうやらテレパシーが使えるようになったみたいだ!

三倉は自己認識と他人から見た自分のズレに気づいてしまって…


みんなは天才と言ったら誰を想像するだろうか?

エジソン?スティーブンホーキング?ナポレオン?

のんのん

もちろん!このオレ、三倉成樹だ!


(※彼は朝から歯を磨いています)

う〜ん、今日もモルディブのように透き通った肌!薄いけれど艶やかな唇!

「シャカシャカ」

まるで熱帯雨林のような溢れんばかりのまつっげ!適度に高い鼻!下から見ると正三角形!これぞまさに黄金比

スバラシイ…!

「シャカシャカシャカシャカッ!」

自分の顔の完成度が高すぎるあまり圧倒されて朝から食欲が失せてくる…

「シャッ!カ!」

ふっ、全く美しすぎるのも困りものっ…だな!

しか〜し、美しさを保つのには良質な食事は必須!

今日もクリスティーヌ・ロナルドのように緻密に練られた食事計画を実行する…!

オレは自らの圧倒的"美"に慢心せず努力をできる精神面も完成されているっ…のだ!

う〜ん

ハニーテイストのブレッドに45℃に温めたゴールデンレモネードの相性は全く抜群だな…ふう…

さて…そろそろ世界中に幸福をばら撒く時がやってきたようだな…


うぅ〜ん…冬の空気は澄んでいて気持ちがいいな…空も快晴だ。神もオレを祝福しているということだな。

ではオレも神に応えねばな


歩行間隔90センチ、股の角度は40度、パピコレのファッションショーに出ていても1ミリもおかしくのない洗練されたポージングだ。

これに目を奪われない奴はいないんだろう…

これにはそこら辺の犬コロですら放尿を止めて魅入ってしまうことだろう。

つまりオレは街の清掃にも貢献しているのだ!

ふっ、早速犬コロが現れやがったか。

このオレを見よ!そして放尿するがいい!


なんだぁ?あのメガネ?脚を執拗にクロスさせてケツをフリフリしてやがる。

実に珍妙な光景だなあ。これには朝の電柱ションも捗るってもんよ!

早起きは三文の徳ってな、ガハハ!



ん?何がオレの頭の中に直接声が響いてきたぞ?

それにあの犬コロもオレを見て放尿をやめるどころか加速させていないか?

まあチビったのと同じ原理で驚きすぎたのだろうな。

かわいそうに…


ん?面白い動きをしている者がおるのお…どこの国の演舞じゃ…ったく最近の若いもんは朝っぱらから演舞をやるなんて粋なことをするじゃないか。早起きは三文の徳ってのぉ。

ふぉふぉふぉ。


クソッ!さっきから何なんだ!知らないやつの声が脳内に響いてきやがる!

ハッ!これはもしや…神の助言…ゴッドブレスなのか?

しかしオレを創った神の割には下等な声の気もするが…

ふぅ…まあいいそんなことを気にするほどオレの器は小さくないのだ。

そろそろ学校だな。神の代理人としての人間に祝福を与えるという責務をしっかり全うしないとな。



「昨日さあ!綾ちゃんとLINE交換したんだよね俺!昨日の試合の俺のスリーポイント!あれが効いたね!ひゃっふぅー!」

「(こいつ朝から口臭うんこだな)

いいなぁ、佐々木さんのLINEおれも欲しいなぁ、おれのスーパーリバウンド佐々木さん見てくれたかなぁ?」

こいつの息朝からコーヒーのんでタバコ吸った父ちゃんみたいな臭いしやがる


通りすがりのモブですが、佐々木さんと聞いて代々木を創造してしまう自分、もしかしたら限界受験生かも…デュフ!帰ったら一度休も。



なんだなんだぁ??色々なやつの声が聞こえてきやがる。これは間違いない…テレパシーってやつだな。

やはり神に愛されすぎているなオレは。

 今日は定期テストの返却日か、ふふふ、また注目を浴びてしまうな。

「濱田〜、お前もっと勉強頑張れよこの点数じゃ追試も危ういぞ。次、三倉ー、うんお前はよくやってるよ。この調子でがんばれよ。」


そう…おれは学業も優秀なの…だ!おっと、数学のテストを落としてしまったなあ。

うっかりうっかり


「んー、誰かテスト落としたよ?って高!

(なんだ三倉かぁ今日もいつも通りきしょいな)はい…」


「おお…」

え?キショい?オレが?…ないない。

ははは!

きっと気背負い(きしょい)って言ってたんだろうな!

オレが美しすぎて話すのに気負いをするってことかあ全くびっくりさせんなよっ!ふっ!

 今日も窓際後方のthe主人公席で優雅にゲーミングチェアにでも座っているかのように体を倒すオレ。きっと隣のやつがオレを見たらあまりの優雅さにマリアの円光が見えることだろう。

 (なんかニヤニヤしながら椅子ブランコしてるメガネおるよ。はぁ、朝から気分下がるなあドブみたいな気分)

?????ドブ?そんなわけないよな。きっと聞き間違いだ。ではなんなのだろうか

土部?溝?土場?この状況に適した言葉が出てこない。オレの語彙力もまだまだだったってことか。帰って調べねばな。それより次はブラスバンド⭐︎ハーモニズムの時間だ。

しっかり喉を潤さねば。

 「ラァァ…ラァァァ…ラァァァァ!」

今日も絶好調だ

(うーわまたやってるよ三倉くん。自分が浮いてるってことに気づかないのかねぇ。それでも日本人?)

「ラァ………」

聞こえる…間違いなく。このオレを中傷するような言葉が…なぜなのだ?

仮にこれがテレパシーだとすると、周りがオレのことをよく思っていないということになる。それはありえない。

では、これはオレの深層心理を表しているのか?そうだとするとオレは心の中で自分のことを卑下していることになる

それは更にありえない。

ではなんだ…だれかがオレに謎の電波でも送っているとでも言うのか?アルミニウムヘルメッドでも着けてやろうか。

まずはこれが真実か確かめるか…

「おいそこのお前!オレとじゃんけんしろ、オレはグーを出す!分かったな?準備はいいか?」

(じゃんけん?この電波メガネまた変なことやってるよ。しかもくだらない心理戦か。

すぐに会話を終わらせたいし素直にじゃんけんするか。

まあ俺は昔じゃん拳使いのケンちゃんで名を馳せた男だ。心理戦なら負けんよ。

こいつは性格上素直な手を出さなそうだな。ここはチョキを出すと見せかけて一周回ってグーか?いや?それを更に予測してパーの可能性が高いな…いや……あ、こいつチョキみたいな顔面してんな、グーだそ)

なんて失礼な野郎だ。この心の声が本物だったらただじゃ済ませないぞ。

「いいか?じゃんけん ポイ」

勝った。まあまだタマタマの可能性があるしな。

「もう一回だ

じゃんけん ポイ」

また勝った

「もう一回」


どうやらこの能力は本物らしい。

そして…オレは…嫌われていた…ようだ。


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