ゲンコツお山のタヌキさん
化けダヌキが異世界と現代を行き来して
何かしら過ごします
げんこつお山のタヌキさんは
5匹の子宝に恵まれた
子狸から大人狸へ代わりそれぞれ
なりたいものや成る可くしてなったものがいた
1匹目はお山を統べる大将
2匹目は隣のお山のお嫁さん
3匹目はお山の麓の神社のお婿さん
4匹目は商売人で楽しそう
5匹目は……
「【異界の世界】にて
俺の友の助けになる様務めてこい
柿治郎」
「……はぇぁ?」
そんな急な話を父上から聞かされた
ー
我が家は化け狸の一族のひとつ
大きな山と周辺の森を根城にしてる
由緒正しい化け狸の一族
そんな一族の大将の子供として
俺は末の子で産まれた
タヌキとはいえ化け狸という妖
人の血や化けるのを得意とする他の妖の血を引いてはいるものの、化け狸という本質は変わらない
化けて脅かして土地神やその使いになったり
ヒトを救ったり
何かとやって来ていた
さて、そんな俺
柿治郎も化け狸として成獣した
兄上や姉上は大将の子だからと、凛々しく生きている
俺には出来ない
羨ましいかぎりだ
俺は人間として化けられても
大将の化け子狸としても
かなり中途半端だ
性格のゆえか、かなり、かなーり
面倒くさがりだ
物覚えも悪い
きょうだい達を羨ましいと思うものの
だからと言って上手くなりたいと思えず
最低限の事しか覚えられない
成獣としてギリギリ認められる
狸火、化け術のみ
ちからが足りない俺の修行の地として
妖の力は無い…
たすけになる
って言ってたけど…何の話やら……
生きる意味が…見つからないのにな……
本来のげんこつ山は【北海道】らしいです
でも日本のどっかの山と思ってください
だっこして
おんぶして
またあしたー_(:3」∠)_