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End magic and war.  作者: 椎茸トマト
A組 勝つためには
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都島日和の情報収集①-3

彼らには申し訳ないことをした。

あの怪物に数名が殺された。


私のせいだ。

私の研究心が彼らを犠牲にしたのだ。




実験は中止だ。




私の研究で人の命を奪ってしまった。





被験者は私を責めなかった。


人類が住めない地域に怪物が存在することは分からないと。

優しく慰めてくれた。


折れそうになった心を彼らが支えてくれた。

しかし、それでも研究を続ける気力はゼロだった。






あれから半年が経った。

私は研究をやめていた。


幸いなことに、私は資金が充実していた。

研究以外に欲しいものはなかった。貯金が増えた結果、実質無職でも食いつなげたのだ。


皮肉なものだな。世界が復興に向かっていても、貧富の差は昔から変わらない。


恵まれている自分に罰を与えてもらったほうがいいかもしれない。


よくよく考えてみればわかる。魔素エリアは人類の負の遺産。入ってはいけない。





一報が入った。


実験は終わったはずだが、当時の被験者から進展があったのだ。


『魔法を使えるようになった』


無気力だった私に再び意欲がわいてきた。

急いで被験者の元へ向かった。




今は使われていない広場で集合した。

魔法を使える人間が集まってくれた。


4人であった。

半年前と変わらず元気そうで良かった。彼らは笑顔で出迎えてくれた。それだけで嬉しかった。


私はここに来るまで水を飲んでいなかった。水を飲むことすら忘れていたのだ。

1人の被験者。いや、元被験者の男性が水を手渡してくれた。思わず苦笑いだ。私は研究に夢中になると、食事や水分補給を忘れてしまう。男性だけでなく、研究に協力してくれた私のことをよく知っている。私の苦笑いで、やっぱりなと、再び笑いが起こる。


早速魔法というものを見せてもらった。昔で言う、漫画のように魔法を出す構えをする。

すると、凍てつく氷が地面を突き刺した。氷の大きさは(はさみ)ぐらいだが、刺さる場所によっては致命傷を与えることができそうだ。


夢でも見ているのではないかと頬を強くつねったが、夢でなく現実だ。強く捻らなくて良かったと後悔する。

4人は会得した魔法を私に見せてくれるみたいだ。


今度は落雷のようなものを見せてもらった。実験で見る落雷装置のものがある。その装置より威力や音は小さかった。しかし、直撃したら感電するだろう。


続いて、風系の魔法であろう。小さな竜巻が可愛らしく渦を巻いている。子どもなら脅威だろう。


炎系の魔法を見せてもらいたかったが、周りの草が燃えてしまうので、ここでは使用を控えた。


彼らは惜しまず、今持っている魔法を見せてくれた。


……

………

もしかすると、魔法の力で魔素エリアに住まう魔獣を倒せるのではないか。

魔獣はどこから発生したのか。その原因を知ることができるかもしれない。



魔法を覚えた経緯を教えてもらった。


あの事件の後、4人は諦めていなかった。途方に暮れていた頃、彼らはあの怪物を倒す方法を模索していたのだ。


1ヶ月前、初めて魔獣を退治することに成功した。驚いたのはその後だ。魔獣は絶命すると粉状になったのだ。


なぜ粉状になるのかは今後の研究に取り入れる。 


初退治の日以降、弱そうな魔獣を見つけては退治することを繰り返した。

彼らが苦戦をしたのは、魔獣も魔法を使って攻撃することだった。


彼らは決して奢ることなく、順当に倒した。

そして、3日前。


魔獣を倒したところ、風が吹いた。彼らの方に粉状が舞い散ってしまい、意図せず口の中に入ってしまった。

吐き出したものの、確実に胃の中に入ったであろう。

そこから身体に異変が起こった。風邪を引いたみたいに、身体に熱が入った。死を覚悟した。この粉は毒だと。


―けれど違った。

1人の元被験者手A氏(プライバシーのため、氏名はアルファベットで記載)から小さな炎が浮かんだのだ。周囲は驚いて距離を置いた。


反対の方向を向いて、小さな炎を岩にぶつけた。残りのB氏、C氏、D氏、もしかしたら魔法が使えるかもしれないと考え、B氏は風、C氏は電気、D氏は氷とイメージを開始した。


すると、イメージ通り魔法ができたのだ。魔法の強さはまだ微弱だが、訓練すると魔素エリアで戦える可能性が出てきたのだ。


魔素エリアに入ることが可能な人間。絶命した魔獣から偶然吸引した粉状のもの。


半年間何も動かなかった私は自分を恥じた。本当にありがとう。


私は嬉しくて、震えが止まらなくなった。


この粉を“マジックパウダー”と名付けた。


西暦2300年12月12日

住道(すみのどう)科学研究所所長



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