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End magic and war.  作者: 椎茸トマト
A組始動
12/37

戦闘開始

魔素エリアに突入した。薄いイエローとはいえ、ランク下のブルーより魔素の圧力が高い。やはりブルーはチュートリアルだったな。

ここから先は未体験。A組のチームワークで敵を倒す。都島さんがチームリーダーとして俺達を指揮する。


魔獣(モンスター)発見。向こうも私達に気づきました。戦闘開始」


早くも戦闘モードに移行、全員が攻撃体制に入る。

魔素エリアに入って初めて対峙する魔獣は“ゼリープリン”だ。緑色のゼリー状の塊がプリンみたいに揺れている。


「3体おるけど、ウチの魔法で蹴散らせてええか?」

「良いですよ。飛鳥さん、この魔獣はご存知の通り火属性が弱点です。即死効果もありますので、威力は小さくて構いません」

「OK。みんなウチの魔法に惚れてもええで」


飛鳥は攻撃魔法の力を溜める。ゼリープリンは動きが遅いため、こちらの時間に余裕がある。飛鳥の攻撃魔法準備は2秒ぐらいで終わり、攻撃に入る。


「恨まんといてな、ウチ等も生きなあかんねん。一瞬で終わらしたる。最近覚えた火属性の魔法“輝け!炎の流星!!(メテオ)”!」


上空から、飛鳥の詠唱で現れた大きな炎の球がゼリープリン達に一直線に落下する。

3体のゼリープリンは一瞬で消えてしまい、隕石が落下した時に残るクレーターのみとなってしまった。


「いえーーい!ウチの魔力は最強やで!」


調子に乗って決めポーズまでやってしまう。ゲームで敵に勝利した時に見るリザルト画面だ。顎ラインを゙隠すピースはいつの時代……あ、都島さんが……


「あ·す·か」

「ひっ!」


都島さんは飛鳥の肩に手をぽんと置いた。飛鳥の肩に伝わる都島さんの手の感触が恐怖を感じさせる。


「私は言いましたよね?即死効果のある魔獣は、威力の小さい火属性で攻撃と。序盤からいきなり大技を出して魔力を消費させるメリットは何なんでしょうか?もしかして目立ちたかったのですか?」

「え、と、ヒヨリン……ウチがやりすぎました。次は状況を考えてから行動に移します」

「ふふ。宜しくです」


飛鳥は顎ラインを゙隠すピース姿で硬直していた。調子に乗る飛鳥のブレーキ役にピッタリだな。飛鳥は怖くて都島さんの目を見れなかった。松原は爆笑しそうなもんだが、都島さんの逆鱗に触れる可能性を考慮して黙ってたのかもしれない。


「皆さん、江坂さんから頂いたマジックパウダーは無限ではありません。大事に使いましょう。飛鳥さん、マジックパウダーを頂きますか?」

「ま、まだ余力があるから大丈夫やで」

「分かりました。必要なら遠慮なくおっしゃってください」


飛鳥は顎ラインを隠すピースから気をつけの姿勢に変わった。

ゼリープリンは絶命したので、マジックパウダーを貰えると思ったのだが、飛鳥の火属性魔法が強力過ぎて、マジックパウダーも燃え尽きてしまった。レベルの低い魔獣と戦うときは、魔力を節約するのも1つの手だ。

飛鳥の大技によって周囲の魔獣も気づいたのでこちらにやってきた。


飛鳥は「あ、アカン。やってもうた」と少しばかり責任を感じているが、切り替えて戦闘モードになる。どのみち魔素エリア内の魔獣が減れば、のぞみエリアが広がるので、どちらにしてもありがたい。問題は俺達の体力次第だが。

次の魔獣が俺達に攻撃を仕掛ける。ゴーレムのような岩の巨体が飛鳥に向かって攻撃してきた。飛鳥は瞬時にかわして体制を整える。初めて見る魔獣だ。


「デカいし硬そうやし、めんどうなやつやな……」

「どいてな。コイツは俺の獲物だ」

「言われんでもアンタに任すわ。ボコボコにしてくれ」


岩を砕く攻撃力の高い松原に向いている魔獣だ。松原は手をちょいちょいとジェスチャーで挑発する。挑発に乗った魔獣は松原をターゲットにした。ゴーレムは両手を組んで松原に向かって叩きつける。松原はガードし攻撃に耐える。


「こんなもんかよ。俺の拳のほうが重いぜ!こちらの番だ、喰らえ!」


ゴーレムの攻撃を払い出す。直後、松原の右ストレートがゴーレムの胸を直撃し、ふっとばされる。ゴーレムは起き上がり攻撃を仕掛ける。ゴーレムは一体だけでは無かった。奥からもう2体やってきた。空からも魔獣がやってきたので手伝うのは流石に厳しいか。

俺は離れてたのでそのまま“アナライズ”という魔法を唱えた。この魔法は魔獣などの敵の情報を拾うものである。

名前は“ミッドゴーレム”弱点属性は――


「そいつの弱点は氷属性だ!」


俺の大声を聞いて3人はフォーメーションを変えた。


「竜馬!受け取って!」

「おう!」


赤阪が付与魔法“エンチャント(氷)”を唱えた。これにより()()に氷属性を付与した。松原はさっきと同じ右ストレートでミッドゴーレムを攻撃する。さっきは吹き飛んだだけであったが、今度はバラバラに粉砕した。残りの2体のミッドゴーレム、飛鳥は氷属性の魔法“氷の女王(フリーズ)”を発動した。2体のミッドゴーレムは氷の塊になった。動けなくなった2体のミッドゴーレムに松原の攻撃が炸裂しバラバラに粉砕する。


ミッドゴーレムを撃退した直後、飛んでいた魔獣が姿を現す。両翼が大きな鷹が急降下して、鋭い爪で俺に向かって攻撃してきた。その前に夏季が大剣でガードし反撃をするが、大鷹は斬られる前に高く飛び距離を置く。


「夏季、ありがとう。飛んでる敵は俺に任せてくれ。渚、もう1体いる。そいつは任せた」

「うん」

「コイツは魔獣図鑑で見たことがある。“ビーストホーク”。雷属性が弱点だ」

「了解」

「夏季くんありがとう」


ビーストホークは2体いた。渚の武器は魔導銃。弾は渚の魔法によって作られる魔弾だ。魔弾に属性を付与することが可能であり、弱点属性に合わせた攻撃が可能だ。

魔導銃を雷属性の攻撃仕様にセットし、エネルギーを溜める。溜められたエネルギーを発射し、雷の塊が高速でビーストホークに向かう。ロックオンされたビーストホークは避けるも、再びビーストホークに向かって来る。当たるまで追い続けるエネルギー弾はやがてビーストホークに命中し稲妻を走らせて地面に落ちる。ビーストホークはそのまま絶命した。弱点とはいえ一撃で致命傷になるのは、渚の魔力は高いということ。


ビーストホークは空中で距離をおいているが、その距離は俺の得意ゾーンだ。俺の武器は狙撃銃。足を肩幅に開き、起床部分を肩にあてる。右眼に全神経を集中してスコープを覗き込む。ビーストホークの飛行速度は速いが、()()()()()なら余裕だ。苦しまずに終わらせてやろう。俺は右手人差し指で引き金を引いた。大きな銃声が鳴った直後、大鷹の頭が弾け飛び落下する。落下中に絶命したため、マジックパウダーが中に舞う。あれだけ散らばったら回収は不可能だな。


「敵の殲滅完了です。周囲に敵影なし。皆様少し力を抜きましょう」


戦闘モードから索敵モードに気持ちを切り替える。 


「交野さん。魔導銃を少し見せてもらっていいですか?」

「うん。いいよ。赤阪くんの魔導杖も見せてほしいかな」


赤阪はさっきのビーストホークを攻撃した渚の魔導銃が気になるご様子。


「魔導杖は少し重いね……赤阪くんって力持ち?」

「やっぱり重たいものなんだ。竜馬の付き合いのおかげかな。交野さんの魔導銃は軽くて扱いやすそう。さっきの雷撃は見事だよ。撃墜まで追えるなんて最高じゃん」

「ありがとう。赤阪くんの魔導杖は魔力が詰まってるね。持ってるだけで伝わるよ」


お互いの武器を持ち合い利点を褒め合う。夏季も2人のやり取りを見て、俺の狙撃銃を見せてほしいと言われたので貸してあげた。代わりに夏季の大剣を持たせてもらったが、とてもじゃないが重い……こんな剣で斬られたらたまったもんじゃない。


「狭山先生、彼らはすごいですね。さっきの連携はお見事でした。いったいどんな訓練を受けているのか気になりますね」

「入学からずっと訓練をさせてきました。魔族と戦えるなみはや学園唯一の学生です。しかし、魔族と戦う実力はまだまだです。色々荒い部分が目立ちます」

「私は彼らに脱帽です。これからも応援していきたいと思います」


江坂さんはA組のクラスメイトの戦い方をこの目でご覧になった。A組の強さは本物であり、自分には叶わないと感じてしまうが、人類の希望である彼らに敬意を評していた。


魔素エリアに入って1時間位経つ。目的地まで間もなくだが魔獣が多くて足止めを食らう。魔獣は強くはないが、体力は無限にあるわけではないので、魔力を消費してはマジックパウダーを頂く。敵から攻撃を受けたダメージは都島さんと渚が回復魔法で癒やす。回復魔法は全員が覚えているが、都島さんと渚の方が回復効果の大きい魔力を持っている。

都島さんの言う通り、弱い敵に全力魔法は必要ない。飛鳥はその事を学び、魔力の使い方を考える。


「渚、調子は良いか?」

「バッチリだよ。昨日とは違い体が軽いよ」

「それは良かった……飛んでる敵がいたらまた頼むよ」

「うん。任せて」


夏季は渚に体調面を訪ねてみたが、渚の反応を見ると安心していた。今日の渚は絶好調だ。


目的地に到着した。広い広大に障害物がなく、360度見渡せれる。


「ここが江坂さんが目撃した場所よ。江坂さん、遠い距離から見てたわけですけど、ここで間違いないでしょうか?」

「ここで間違いありません。皆さん、今のうちに回復して下さい。私お手製の緑茶と配合したマジックパウダーがございますが、摂られますか?」

「え?なにそれ!?緑茶の風味を味わえるということやな!?」

「私も気になります!」


魔力の消耗が激しい飛鳥と都島さんが食いつく。どのみち回復は必須なので、江坂さん特性マジックパウダーを頂いた。2人は沢山のマジックパウダーを摂取していた。おかわりも要求していた。


「緑茶の苦みと香りがたまらんわ〜。初めてマジックパウダーが旨いと思ったわ」

「私もです」


特性マジックパウダーは意外に美味しかった。お湯で溶かせばお茶を楽しみながら回復できる。マジックパウダーはあまり美味しくないのに、どうやったらこんな美味しいマジックパウダーができるのが謎だ。


「江坂さん、このマジックパウダーを沢山作って欲しいです。買いた――」


魔素エリアの空気が変わった。全員が変わったことに気づき、瞬時に戦闘モードに切り替える。さっきまでのゆるい空気は終了だ。


「皆さん来ます!」


先程までいた魔素エリアの色は半透明イエローであったが、濃いイエローに変わった。そこに奴がいた。


江坂さんが目撃した情報、都島さんの魔導書。

間違いなくライガー。色が濃くなったということは強いということ。ライガーは俺達を発見し、攻撃モードに移行した。

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