我が流派、栄はせぬが、なお強く。我は五代目、次ぐは流派か?
「久しいな、どうだ?『七七』、最近は」
「充実してます、『灰我』師匠」
俺の名前は『十七七七』。で、この人が俺の師匠。名前を『流転灰我』と言う。俺に拳法を教えてくれた師匠であり、この喋り方の癖が移ってしまった原因でもある。と言うか、師範代クラス全員この喋り方。つまり俺も師範代。
「ところでだ。最近ゲームに、ハマってる?」
「悪い事では、無いと思うが……」
「では一度、手合わせ願おう、本気でな!」
「望むところだ、我の師匠よ!」
この拳法の名前は『色之拳』と言う。流派はそれぞれ違く、俺のは『灰我流』だ。弟子を持った師範代が名前を決め、そしてそれを教わった弟子が師となり弟子に教える……。
そういう感じで受け継がれてきたと言う訳だ。当然俺にも作る権利がある。最近五人目の弟子が出来た。ちなみに俺の流派は『七川流』。短歌なのに川柳とはこれ如何に。
「灰の拳、久しく見せる、この一撃!」
「ならば受けよう、その一撃を!」
大きく踏み込んでからの鋭い打撃、それが灰我流。対する俺の七川琉は、素早く肉薄してからの連撃を叩きこむ。師匠の拳を受け流し、何度か打撃を食らわせるが、ビクともしない。
「何をした?まるで全然、効いていない」
「ならば放とう、『流々演武』!」
頭から腰にかけての連撃。だが師匠はそれを指一本で防ぎ切りやがった。やっぱ師匠は他の師匠と比べて頭一つ抜けている。だから俺だけなんだぞお前の弟子は……。
「まぁよいわ、これにて終い。精進せい」
「……押忍!」
「そこは七七、それで返せよ」
うーん、まだまだだな……。師匠は完全に日常生活すらも短歌で過ごしてるんだ。最近独立して気が付いたけど、あの喋り方するのは師匠だけだった。おかげで恥をかいたぞ高校入学の時に……。
さてと。んじゃまぁブレマジをするかな。最近良いゲーム仲間が増えたからなぁ。楽しみだ!一年やってるけど全然飽きないし、修行にもなる!実戦で使うとなるとどうも使いにくいと言うか……ね。
「さて来たが、どうするべきか。悩み中。ここはあえて、何もしないを!」
そう言えば一周年になるんだなぁこのゲーム。俺がこのゲームを見つけたのは一年前……。弟子と稽古の後にワイワイしている時だったかな。
『今度発売されるブレマジ、買うだろ!?』
『あぁもちろん!って言いたいけどアレ抽選販売じゃん。一応一万人って言ってるけどさぁ……。少なくない?』
『だよなー。ま、当たったらやろうぜ!』
ブレマジ……?と、聞きなれない言葉に検索をしてみると、抽選販売のページに飛ばされた。少し見て、面白そうだと思ったので、とりあえず抽選をしてみる事に。
そしたらなんと見事当選。早速購入してゲームをプレイした。メチャクチャ楽しかった。ただ、素手と言う武器が無く、結構面倒くさかったな……。
が、そんな時だ。俺はあるユニークをクリアした。そのユニーク報酬は『手刀白式』。素手の攻撃に今装備している剣の判定が乗ると言う、凄い武器だった。
それからと言う物、それを使ってPKを倒したり、強そうなボスを倒したりと色々やって来た。実際楽しかった。
「フレンドか。これで百人、大勢だ。しかしまだまだ、もっと増やそう!」
それであいつ……。クロナキとギルドを作ることになった。俺のフレンドはどいつもこいつも別でギルド作ってて、勧誘してきてちょっとうるさかったし、けどギルドリーダーにはなりたくない……。と、考えてたところに奴登場。
ギルドリーダーになってくれると言うので、一切の二言無しでやってもらう事にした。ま、一応副リーダーなんだけどな。
「さぁ行くか!良い物件を、探しにな!向かうは隣、『ツギノ街』へと!」
骸「まぁ心底どうでもいい事のコーナー」
白「いつものテンションじゃないな」
骸「ゲームの事以外どうでもいいんだよね、正直に言って。さて今回の話はこの流派に関してだ」
白「強そうなのは分かるが、なんで短歌で喋るんだ?」
骸「師匠曰な、いつでも頭脳を冷静にする為だと」
白「へー」
骸「まぁそんな感じだよ。ブクマ、コメント宣伝何でもよろしくな!」
白「出来る範囲で良いからな~」